1月26日 16時12分
NTTドコモのスマートフォン向けのインターネット接続サービスなどで通信障害などのトラブルが相次いでいることを受けて、総務省は、26日、ドコモの幹部を呼んで「適切な措置が十分に取られていなかった」として、再発防止策を早急に実施することを求める行政指導を行いました。
NTTドコモを巡っては、スマートフォン向けのインターネット接続サービス「spモード」で、先月、メールアドレスが勝手に別の人のものに置き換わってしまうトラブルが起きるなど、去年の6月から重大な事故が相次いでいます。
これを受けて、総務省は、メールアドレスが勝手に別の人のものに置き換わるトラブルは、通信事業者に義務づけられた「通信の秘密」の漏えいに当たるなどと指摘したうえで、「一連の事故は、スマートフォンが増加するなかで、適切な措置が十分に取られていなかったために発生したものだ」として、NTTドコモの幹部を呼んで再発防止策を早急に実施することを求める行政指導を行いました。
総務省では、25日、東京で最大で252万人が影響を受けた携帯電話の通信障害についても重大な事故に当たる可能性もあるとして、詳しい原因などの報告をドコモ側に求めました。
NTTドコモでは、この半年余りの間にトラブルや通信障害が相次いでおり、今回で5度目です。去年6月には、携帯電話の一部で、通話やデータ通信がつながりにくい障害が起き、最大で172万人に影響が出ました。
また、去年8月には、スマートフォン向けのインターネット接続サービス「spモード」が全国的につながりにくくなる障害が起き、およそ110万人が影響を受けました。
「spモード」では、先月20日、メールアドレスが勝手に別の人のものに置き換わるなどのトラブルが発生し、関西を中心におよそ2万人に影響が出ました。1日には、「spモード」でメールの送受信がうまくできなくなるトラブルが起き、およそ260万人が影響を受けました。
総務省
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報道資料
平成24年1月26日
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモに対する事故防止、通信の秘密の保護及び
個人情報の適正な管理に係る指導
総務省は、本日、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモに対し、同社が提供する携帯電話サービスにおいて生じた事故を踏まえ、再発防止策を含む対策等を早急に講じ、その実施結果を報告するよう指導しました。
1 経緯
(1) 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下「NTTドコモ」といいます。)が提供する携帯電話サービスにおいて、平成23年4月以降、4件(平成23年6月6日、8月16日、12月20日及び平成24年1月1日)の重大な事故が発生しました(概要は別紙のとおり。)。
これらのうち昨年6月6日の事故を除いたものは、スマートフォンに係るサービスに関するものであり、スマートフォン利用者が急増する中で、NTTドコモにおいてシステムの信頼性向上対策等の必要かつ適切な措置が十分に講じられていなかったことにより発生したものと考えられます。
(2) 特に、昨年12月20日に発生した事故においては、NTTドコモの報告によれば、利用者のメールアドレスやメール本文等が漏えいする事象等が発生しており、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第4条第1項に規定する通信の秘密の漏えいがあったものと認められるとともに、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第20条及び電気通信分野における個人情報の保護に関するガイドライン(平成16年総務省告示第695号)第11条第1項に規定する安全管理措置義務に違反するものであると認められます。
(3) また、平成24年1月25日には、東京都の一部地域における携帯電話サービスについて通信障害が発生しました。
(4) このような重大な事故等の多発は、利用者の利益及び通信サービスに対する信頼を大きく損なうものであり、適切な対応が求められます。
2 指導内容
総務省は、総合通信基盤局長名の本日付けの文書により、NTTドコモに対して、下記の観点を踏まえた再発防止策等を早急に実施するとともに、その実施結果及び今後の取組を本年3月30日(金)までに報告するよう指導しました。
(1) 利用者や通信量の増加に適切に対応するための電気通信設備の配備
(2) 電気通信設備の故障等の発生に対応するための適切な予備設備の配備及び監視体制の構築
(3) 過負荷試験等を通じた輻輳防止
(4) 通信の秘密の保護及び個人情報の保護
(5) 利用者に対する適切な対応
3 今後の取組
総務省は、電気通信サービスの安定的な提供を確保するため、引き続き、必要な指導・監督に努めてまいります。
別紙
事故の概要
1 平成23年6月6日に発生した事故(携帯電話の音声通話、パケット通信が利用しづらい状況となった事案)
(1)影響時間:13時間9分
(2)影響サービス:音声通話、パケット通信(電子メール、インターネット接続等)
(3)影響利用者数:約150万
(4)原因:利用者の位置情報等を格納するサービス制御装置が故障。装置に故障が起きた際の切り替え手順の不具合により正常な装置についても予備装置に切替を実施。それに伴い多数の端末から一斉に位置情報の再登録の要求が行われたことにより、サービス制御装置の処理能力が大幅に低下。
2 平成23年8月16日に発生した事故(SPモードのパケット通信が利用しづらい状況となった事案)
(1)影響時間:7時間
(2)影響サービス:SPモードに係るパケット通信(電子メール、インターネット接続等)
(3)影響利用者数:約110万
(4)原因:SPモード用中継スイッチが故障。いったんネットワークから切断された多数の端末から一斉に接続に係る認証要求が行われたことにより、認証サーバの処理能力が大幅に低下。
3 平成23年12月20日に発生した事故(SPモードメールにおいて、一部利用者のメールアドレスが別の利用者のメールアドレスに置き換わる状況等が発生した事案)
(1)影響時間:5時間38分
(2)影響サービス:SPモードメール
(3)影響利用者数:約2万
(うち、通信の秘密の漏えいに係る利用者数は2,017、個人情報の漏えいに係る利用者数は6,619)
(4)原因:伝送路故障に伴い、いったんネットワークから切断された多数の端末から一斉に接続に係る認証要求及びIPアドレス割当要求が行われたことにより利用者情報を管理するサーバの処理能力が大幅に低下し、電話番号とIPアドレスの関連付けに不整合が発生。
4 平成24年1月1日に発生した事故(SPモードメールの送受信がしづらい状況となった事案)
(1)影響時間:3時間15分
(2)影響サービス:SPモードメール
(3)影響利用者数:約260万
(うち、不達メッセージを受信できなかった利用者数は、約20万)
(4)原因:利用者のメールボックス情報等を格納するサーバへの問合せ件数が同時アクセス数の上限値を超過したことにより、同サーバの処理能力が大幅に低下。
5 平成24年1月25日に発生した通信障害(携帯電話サービスが利用しづらい状況となった事案)
(1)影響時間:4時間42分
(2)影響サービス:携帯電話(FOMA)に係る音声通話、パケット通信(電子メール、インターネット接続等)
(3)影響利用者数:最大約252万
(4)原因:1月25日未明に切り替えたパケット交換機が不安定な状態になった。その後、通信需要が急増したことにより、通信輻輳が拡大したため、通信規制を実施(最大70%)。
NTTdocomo
報道発表資料
【お詫び】2012年1月25日のFOMAの音声・パケット通信サービスがご利用しづらい状況について
<2012年1月26日>
2012年1月25日のFOMA音声・パケット通信サービスがご利用しづらい状況について (PDF形式:209KB)
http://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/2012/01/26_00.pdf