オウム真理教元幹部平田信容疑者(46)=公証役場事務長拉致事件で逮捕=と一緒に逃走していたとされる元信者斎藤明美容疑者(49)=犯人蔵匿容疑で逮捕=が、潜伏先の自宅に保管していた現金800万円について、「自分の給料を充て、教団から受け取った逃走資金は先に使った」と供述していることが20日、捜査関係者への取材で分かった。
紙幣から教団関係者の指紋は検出されず、警視庁は両容疑者が教団との関係を隠そうとしたとみて調べている。
捜査関係者によると、平田容疑者は1995年、教団から逃走資金として現金1000万円を受け取り、斎藤容疑者と逃亡。2人は東北地方を転々とした後、大阪に潜伏し、斎藤容疑者は2000年ごろ、東大阪市の整骨院に就職した。
整骨院の給料は十数万円で、斎藤容疑者は「給料はためて、教団の逃走資金から先に使った。教団との関係が分からないようにするため、紙幣を取り換えた」と供述。同市の自宅マンションに保管し、自首の際に提出した800万円からは教団関係者の指紋は検出されなかった。(2012/01/20-13:12)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012012000416
“教団からの逃走資金 新札に”
1月20日 13時6分
オウム真理教の元幹部で、公証役場の事務長の監禁致死事件で逮捕された、平田信容疑者が、「教団側から受け取った逃走資金の残りの現金を新しい紙幣と交換していた」と供述していることが、警視庁への取材で分かりました。警視庁は、教団関係者の指紋などが検出されないようにしていたとみて調べています。
警視庁の調べによりますと、東京の公証役場の事務長の監禁致死事件で逮捕された、オウム真理教の元幹部の平田信容疑者は、元信者の斎藤明美容疑者と、東大阪市内のマンションで潜伏生活を送っていたとみられています。
斎藤容疑者が出頭した際に持っていたおよそ800万円は、現在発行されている1万円札で、これについて平田容疑者は、「平成7年に教団幹部から逃走資金として渡された、およそ1000万円の残りが含まれている」と説明していました。
その後の調べに対して、「整骨院で働いていた斎藤容疑者の給料が入るたびに、新しい紙幣と交換していた」と供述していることが、警視庁への取材で分かりました。
平田容疑者は「今は教団への信仰心はない」と説明しているということですが、警視庁は、紙幣から教団関係者の指紋などが検出されないようにしていたとみて調べています。
一方、東京地方検察庁は、事務長を死亡させた容疑は裏付けられなかったとして、「監禁致死」の適用は見送り、平田容疑者を20日、監禁の罪で起訴するものとみられます。