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2012/01/03

最終的に執行は法相判断に委ねられるが、同省幹部は「死刑に消極的な法相であれば、執行しない口実にする可能性もある

平田容疑者逮捕、死刑囚13人の執行に影響も
 オウム真理教による事件で特別手配されていた平田信容疑者(46)の逮捕は、松本死刑囚ら13人の死刑囚の執行スケジュールに影響を与える可能性がある。

 法務省は、共犯者が公判中の場合は、死刑囚が証人となる可能性があることから、原則、執行を見送る運用をしているからだ。

 教団関連の刑事裁判は昨年11月にすべて終結し、松本死刑囚らの執行時期が焦点になっており、同省内には、「執行は、まず首謀者の松本死刑囚から検討すべきだ」との意見が強かった。このため、捜査関係者の間では、「あまりにも(出頭の)タイミングが良すぎる。松本死刑囚らの執行を免れる作戦ではないか」(最高検幹部)との見方が出ている。

 あるベテラン刑事裁判官は「平田容疑者の弁護側が『松本死刑囚が証人として法廷で真実を語るかもしれず、執行は待つべきだ』と主張すれば、執行にも影響が出るだろう」と予測する。最終的に執行は法相判断に委ねられるが、同省幹部は「死刑に消極的な法相であれば、執行しない口実にする可能性もある」と懸念する。

 ただ、松本死刑囚の執行にあたっては、平田容疑者の逮捕を考慮すべきではないとの意見もある。仮谷さん拉致事件については、ほかの元幹部らの証言で全容がほぼ明らかにされており、平田容疑者に直接指示したわけでもない松本死刑囚を証人とする必要性はないとの理由からだ。別の同省幹部は「松本死刑囚の証言で、平田容疑者の刑の重さが変わるとは考えられない。今回の逮捕を、松本死刑囚の執行を妨げる要因とすべきではない」と話す。

(2012年1月3日11時23分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120102-OYT1T00583.htm