2011.12.23 Fri posted at: 14:46 JST
(CNN) バチカン(ローマ法王庁)の名にポルノ専用の新ドメインを付けた「Vatican.xxx」というインターネットのアドレスが、アダルトサイトに取られてしまった――。ローマ法王庁広報の発言をきっかけに、報道各社がそう報じる騒ぎがあった。
発端は、広報を担当するフェデリコ・ロンバルディ神父がバチカン放送で「このアドレスはバチカンではない相手に予約されており、利用できない」と発言したことだった。
しかし実際には、同アドレスは誰にも登録されていないことが判明した。xxxドメインの登録業務を担う米ICMレジストリーは「Vatican.xxxのアドレスは永久保留扱いになっており、当初から登録申請を受け付けていない」と説明している。
.xxxのドメインは、ネット上に氾濫するアダルトコンテンツを整理して安全性を高める目的でドメイン管理団体のICANNが承認し、今月から解禁された。
しかしインターネットでは無関係の組織名などを使ったアドレスを無断で登録する「ドメイン乗っ取り」が日常茶飯事になっていることから、ICANNはICMに対し、各国の関係機関と協議して、永久保留扱いとすべきアドレスを設けるよう求めていたという。
こうした経緯からバチカンのアドレスについても登録申請を受け付けていなかったが、ローマ法王庁の担当者がVatican.xxxのサイトをチェックしたところ、「ICMレジストリーによってリザーブされています」と表示されたことから、他者に登録されてしまったと勘違いしたとみられる。