2011.12.20 22:50
【ソウル=加藤達也】韓国の情報機関、国家情報院の元世勲院長は20日、非公開の国会情報委員会で、北朝鮮の金正日総書記の特別列車が17日、平壌市内の竜城駅に止まっていたことが確認されたことを明らかにした。聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮当局が指摘するように金総書記が列車内で死去したとすれば、平壌に停車中の同列車内で死去した可能性がある。北朝鮮の19日の発表では現地指導に向けて走る列車内で17日死去したことになっている。
しかし衛星写真などから分析した結果、特別列車は15日から動いていなかったといい、北朝鮮の発表に疑問が生じている。
金総書記死去:列車は駅に停車していた?
韓国国家情報院の元世勲(ウォン・セフン)院長は20日、国会情報委員会(非公開)に出席し、金正日(キム・ジョンイル)総書記の専用列車が17日、平壌市の竜城(リョンソン)駅に停車していたことが確認されたと述べた。北朝鮮は、地方視察に向かう「走る野戦列車内」で死去したと伝えていた。病をおして仕事を続けたという金総書記のイメージを作るため、北朝鮮が事実とは異なる発表をした可能性が浮上している。
聯合ニュースが、委員会に出席した議員の話として伝えた。元氏は衛星写真などから列車が停車中であることを確認し、「どこかに向かおうと(列車に)乗っていた状態で死亡したようだ」と語ったという。
また、元氏は金総書記の死亡を「北朝鮮の放送があるまで知らなかった」と答弁。情報収集能力の低さに批判が高まっている。
毎日新聞 2011年12月20日 23時50分