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2011/03/25

被爆した作業員2人の被ばく線量は2000~6000ミリシーベルト

2作業員、被ばく量2千~6千ミリ・シーベルト



 東京電力福島第一原子力発電所3号機で被曝(ひばく)した作業員3人のうち2人は、足の皮膚表面の被曝線量は2000~6000ミリ・シーベルトと高く、作業中に吸い込んだ放射性物質による内部被曝もあることが25日、放射線医学総合研究所(千葉市)での精密検査で分かった。

 同研究所の明石真言(まこと)・緊急被ばく医療研究センター長によると、3人のうち、20代と30代の作業員の2人は長靴を履いておらず、靴に入った水で足を被曝した。くるぶし以下に強い被曝が認められたが、皮膚にやけどなどの症状は出ていない。「被曝線量は非常に高いが、局所的であり、全身被曝に比べて、はるかに健康への影響は少ない」という。

 ただし、局所でも3000ミリ・シーベルト以上被曝すると、5日~2週間程度で熱傷などの症状が出る恐れがあり、経過観察が必要という。放射線の一種であるベータ線熱傷も確認できていない。

 この2人は尿などから放射性物質が検出され、内部被曝が確認された。足には傷がなく、空気中の放射性物質を吸い込んだとみられる。被曝の程度は軽いとみられ、すぐに治療が必要なレベルではなかった。

 残りの1人は長靴をはいていたため、水にぬれておらず、足の被曝も内部被曝も確認されなかった。

 3人は、早ければ週明けにも退院する見通しという。

(2011年3月25日23時44分 読売新聞)







被曝作業員の放射線量は2~6シーベルト やけど治療も
2011年3月25日23時11分

 福島第一原発で被曝(ひばく)した作業員2人が、汚染した水につかっていた足に浴びた放射線量は、約2~6シーベルトと推計されることがわかった。2人を検査した千葉市の放射線医学総合研究所(放医研)が25日に発表した。10日ほどして足にやけどの症状が現れ、治療が必要になる可能性があるという。

 労働安全衛生法などで、作業員らが緊急作業時に皮膚に受けていいとされる放射線の限度量(1シーベルト)の2~6倍に当たる。今回の原発事故で1シーベルト以上の高線量の被曝は初めて。

 国際放射線防護委員会(ICRP)によると、今回のように皮膚の限られた部分に3シーベルト被曝した場合、一時的な脱毛が起こり、6シーベルトでは赤い斑点ができる。単純に比べられないが、全身の被曝量が3~5シーベルトだと半数の人が亡くなるという。

 放医研によると、2人とも現状では全身の状態に問題はない。白血球の数の変化や皮膚の状態を観察する。吸い込んだ放射性物質による内部被曝もあったが、治療は必要ないとみられるという。

 2人は24日、原発の復旧作業中に汚染された水が靴の中に入り、くるぶしから下に被曝した。