課税処分の取り消しが確定した武富士の元専務の武井俊樹氏(45)には、納付済みの追徴税や延滞税以外に、国から“利子”にあたる還付加算金約400億円が上乗せして支払われる。贈与資産が膨れあがった格好だが、その一方で武富士への過払い利息の返還を求める利用者は少なくなく、税務関係者からは「加算金全額を救済基金に充てるべきだ」といった声も上がっている。
俊樹氏は平成17年3月、追徴課税処分を受け、延滞税などを含め約1585億円を納付した上で、国に対し課税処分取り消しを求める訴訟を起こした。今回の勝訴確定で、追徴分など以外に、国側から新たに還付加算金も支払われる。年利は4~5%の範囲で、還付加算金だけで約400億円に上る。時期は不明だが、還付額を確定させた上で、速やかに手続きが行われる見通しだ。
最高裁の判断について、都内の税理士は「実務現場から見れば妥当」と指摘。ただその一方で、「一般の納税者からすれば、グレーゾーン金利で荒稼ぎした武井家による巨額の租税回避が、結果として容認された今回の判断は理解に苦しむところだろう」と話す。
還付加算金は雑所得として課税されるため、「400億円のうち、半分ぐらいは税金で持っていかれる」(国税OB)という。最高裁で傍聴した税理士は「社会的イメージを悪化させないためも、俊樹氏は加算金分を過払い金返還の基金として寄付すべきではないか」と話した。
2011/02/19
今回の勝訴確定で、追徴分など以外に、国側から新たに還付加算金も支払われる。年利は4~5%の範囲で、還付加算金だけで約400億円に上る。
武富士元専務に還付加算金400億円 「過払い金返還の基金に」2011.2.19 00:03