【ニューデリー杉尾直哉】中国の温家宝首相は17日、パキスタンを公式訪問しギラニ首相と会談、貿易推進など戦略的パートナーシップ強化へ向けた13の合意文書に調印した。19日まで滞在し、中国が支援し、インドなどが警戒するパキスタンの原発開発計画の推進などについて協議する見通し。
17日の合意には、エネルギー、農業、金融、鉄道分野への中国側からの支援や、パキスタン大洪水(7月発生、約2000万人被災)の復興支援金2億人民元(約25億円)供与などが盛り込まれた。温首相は19日にはパキスタン議会で演説する予定。
毎日新聞 2010年12月18日 20時29分(最終更新 12月18日 20時36分)
中国とパキスタン 関係強化確認
12月18日 5時42分
中国の温家宝首相がパキスタンを訪問してギラニ首相と会談し、中国の支援による原子力発電所の建設など、エネルギー分野の協力や貿易の促進を通して関係を強化していくことを確認しました。
17日からパキスタンを訪問している温家宝首相は、首都イスラマバードでギラニ首相と会談しました。会談の冒頭で、ギラニ首相が「中国は最も信頼できる友人だ」と歓迎したのに続き、温家宝首相も「われわれは強固な絆で結ばれている」と述べて、両国の良好な関係を強調しました。パキスタンと中国は、長年、軍事面を含めた友好関係を築いており、会談では、電力不足に悩むパキスタンへのエネルギー協力や貿易の促進などを通して関係を強化していくことを確認しました。
このうち、エネルギー分野では、中国の支援でパキスタン中部に2基の新たな原子力発電所を建設する計画が進められていますが、NPT=核拡散防止条約に加盟せず、過去に北朝鮮やイランなどに核技術を流出させたパキスタンへの原子力協力に、アメリカなどは懸念を示しています。
中国、パキスタンとの協力拡大 エネルギー計画支援
2010.12.18 14:39
パキスタンのギラニ首相は17日、インドに続きパキスタンを訪問した中国の温家宝首相と首都イスラマバードで会談し両国の長年にわたる友好関係を確認、両国の閣僚らが経済、エネルギー、文化など幅広い分野で協力を拡大する13の合意文書に署名した。
首脳会談後に記者会見したパキスタンのカイラ情報放送相によると、中国はパキスタンのさまざまなエネルギー計画に支援を行うことを約束したほか、経済協力ではパキスタンが進める諸計画に約140億ドル(約1兆1750億円)を投資する見通し。
また中国は今年パキスタンを襲った洪水の復興支援のため、借款を含め計6億3900万ドルを供与するほか、国有商銀最大手の中国工商銀行がイスラマバードと南部カラチに支店を開設する。(共同)