公明党は、支持率低迷に悩む菅政権からの秋波を警戒している。
「政権に取り込まれた」と見られれば、来春の統一地方選に不利になると考えるからだ。一方で、政権との対決姿勢を強める自民党との距離の置き方にも苦心している。
公明党の山口代表は22日の中央幹事会で、今後の党運営について、「戦う野党として、主張を明確にしていく」と明言。記者会見では、参院が問責決議を可決した仙谷官房長官と馬淵国土交通相が辞任しなければ、来年の通常国会で両氏が関連する審議を拒否する方針を改めて示した。両氏には「辞めてもらうのが原則」とも強調した。
背景には、失態続きの菅政権を批判する方が統一選を戦いやすいとの判断がある。公明党は過去2回の統一選で候補者を全員当選させており、党執行部にとって、「全員当選」は今回も至上命令だ。
政府の税制改正大綱をめぐっても、公明党は今年、決定前の要望提出をあえて見送った。「中途半端に取り込まれ、利用されたらたまらない」(党幹部)からだ。大綱決定後に発表した党の見解では、「税制抜本改革の理念や全体像がない」などとこき下ろした。公明党の社会保障政策の基本方針を評価した菅首相にも、「政府・与党の考えが具体的に示されない」(山口代表)などと素っ気ない反応を示している。
もっとも、執行部の本音は、統一選に集中するため、事態が衆院解散・総選挙に発展するのは避けたいところだ。このため、政権批判をエスカレートさせる自民党との間合いも課題だ。
(2010年12月24日17時36分 読売新聞)
2010/12/24
【統一地方選挙】 公明党、政権批判をエスカレートさせる自民党との間合いも課題
公明は政府、自民との距離感に腐心