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2011/06/10

静岡の製茶から食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出=業者の自主検査で

放射性物質:静岡の製茶からセシウム検出
 静岡県は9日、静岡市葵区の藁科(わらしな)地区の工場で作られた製茶「本山(ほんやま)茶」から、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。県がサンプル調査した主要19産地の製茶は全て暫定規制値以下だったが、業者の自主検査で検出された。同県の製茶の検査で、暫定規制値を超える結果が判明したのは初めて。

 通信販売業者が取扱商品を自主検査し、同地区など2カ所で製造された製茶で、暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超えたことが判明し、県に報告した。県が改めて検査したところ、1キロあたり679ベクレルの放射性セシウムが見つかった。

 県は該当する工場に出荷自粛を要請する一方で、同地区内にある約100カ所の工場で、製茶の放射能検査を週明けにも実施する。

 県はこの日主要19産地のうち、未発表だった11産地の製茶の放射能検査結果を発表。放射性セシウム値は1キロあたり128~413ベクレルだった。県は「飲用茶にすれば放射性物質は約85分の1に薄まり、679ベクレルは健康に問題がない数値」として、出荷制限の範囲を現在の自治体単位から工場単位などに狭めるよう国に求めている。【仲田力行】

2011年6月9日 21時47分 更新:6月10日 0時11分










静岡県公式HP 

   一番茶(製茶)の放射能測定結果(6月7日~9日公表)

 

 自主検査に基づく調査(6月9日公表、6月29日公表)







J-CASTニュース
 静岡製茶で初の放射性物質規制値超え 「らでぃっしゅぼーや」自主検査で発覚
2011/6/10 19:16
静岡市の藁科地区で生産された「本山茶」から、国の暫定規制値を超える放射性物質が検出された。

静岡県は政府の検査要請にも当初は反発、県自体の調査では規制値超えは出なかったものの、東京の販売業者による自主検査で発覚し、県の再検査で確認された。


県調査の19産地は規制値下回る

問題となっているのは、静岡市藁科地区のある工場で生産された一番茶の製茶だ。有機野菜などの宅配サービスを行う「らでぃっしゅぼーや」が自主検査を実施したところ、同地区や両河内地区の製茶から、国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超える521~569ベクレルの放射性セシウムが検出された。

この申告を受けた静岡県が再調査を実施すると、藁科地区の製茶に限り、1キロあたり679ベクレルの放射性物質が検出された。県内の製茶が規制値を超える結果が判明したのは初めてだ。

業者から県に申告があったのは6日で、県が再調査して結果を公表したのは9日。らでぃっしゅぼーやの担当者は、「風評被害につながる恐れもあり、再確認の意味でも、県の検査を待つことにした。一部で報じられているように、県から公表を控えるように求められたわけではない」と話す。同社は10日にホームページ上で利用者に知らせている。

静岡県によれば、規制値を超えたのはこの工場だけで、すでに業者には出荷自粛・自主回収を要請した。県が一番茶の製茶を対象に6月6~8日に実施した調査では、19か所の産地すべてで放射性セシウムが検出されたが、最高は静岡市の本山茶の413ベクレルで、いずれも規制値は下回った。


規制値上回れば出荷自粛・自主回収

県茶業研究センターによると、「飲用茶ではセシウム量は85分の1に薄まるため、健康への影響は心配ない」。しかし、静岡県は日本を代表する茶の生産地で規制地を超える結果が出たことで、動揺する人も多い。

県は今後、「藁科地区にある約100か所の工場で検査を実施し、規制値を上回る茶工場が出た場合には出荷自粛・自主回収を要請する」としている。二番茶の荒茶についても、一番茶の製茶を検査した19地区で検査を進める。川勝平太知事は、東電や政府に生じた損害の賠償を求める方針も明かしている。

「規制値に科学根拠的な根拠がない」として、当初は政府が求める検査に難色を示していた静岡県だが、早急に検査を進めることで被害を食い止めたい考えだ。静岡市長の田辺信宏氏も、「県や市内JA、茶商組合などと連携をとって、風評被害の沈静化と消費拡大に向けて対応してまいります」とコメントしている。

茶の放射性セシウム量の規制については、生茶葉で1キロあたり500ベクレル、飲用茶で200ベクレルの暫定規制値を設けられていたが、政府は6月2日、荒茶や製茶についても500ベクレルの規制値を適用すると発表。すでに茨城県全域、神奈川、千葉、栃木3県の一部地域で、規制値を上回ったとして出荷制限を指示している。








NHKニュース
静岡の茶工場 基準超のセシウム
6月9日 21時56分
静岡市のお茶の工場で作られた「製茶」=製品のお茶から、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され、静岡県は、工場に対して出荷の自粛を要請しました。静岡県によりますと、検出された値は健康に影響を与えるレベルではないということです。

このお茶は、静岡市の藁科地区にある工場で、いわゆる新茶に当たる一番茶を製品に加工した製茶です。

静岡県が東京のお茶の販売業者から「自主検査で高い値が検出された」と連絡を受けて行った検査で、国の暫定基準値の1キロ当たり500ベクレルを超える、679ベクレルの放射性セシウムが検出されました。

静岡県によりますと、検出された値は健康に影響を与えるレベルではないということですが、県では工場に対し出荷を自粛するよう要請しました。

東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、静岡県産のお茶から基準値を超える放射性物質が検出されたのは初めてです。

静岡県は福島第一原発の事故を受けて、主な19の産地を対象に一番茶の「製茶」の検査を行っていました。この際はいずれも基準を超す値は検出されませんでしたが、藁科地区の製茶については検査が行われていませんでした。

静岡県では藁科地区の製茶から基準値を超える放射性物質が検出された経緯について調べることにしています。





 ■二番茶は“シロ”

 一方、この日判明した、二番茶の荒茶の第1回の検査結果では、本山茶(美和地区)13ベクレル、静岡牧之原茶138ベクレルといずれも暫定基準値を下回っていた。県茶業農産課の白井満課長は「二番茶は一番茶よりも少ないことが傾向として出ると、消費者も安心できるのでは」と述べ、胸をなで下ろしていた。

 二番茶の荒茶の検査は、県内19産地について順次行われる。






2011年6月15日
静岡知事、「報道で風評被害」と主張

 製茶から国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、静岡県の川勝知事は14日の記者会見で、「報道が風評被害をあおっている」とNHKを名指しで厳しく批判した。

 川勝知事は「風評被害の最たるものは、一部のここにいる人たちです。9日の9時台の全国ニュースは、『静岡県で暫定規制値を上回るものが出た』。なんというふらちなことだ。一局所を全体であるかのごとく報道する、本当に道義的に問われるべきだ」と激しい口調で批判した。

 さらに、「公器であることをわきまえなさい。1面トップや、NHKを見た人が、見出しと報道で、静岡茶は全部やられたと思っています。一部をもって、全体にした反省をしていただきたい。責任重大ですよ、君たち」と批判を続けた。

 NHK名古屋放送局広報部は、取材に対し、「報道した内容は事実です。知事の発言についてコメントすることはありません」と話した。

(2011年6月15日08時58分 読売新聞)