1月19日 17時48分
福島県二本松市で、住宅の庭で保管されていたまきをまきストーブで燃やしたところ、灰から1キロ当たり4万ベクレルを超える放射性セシウムが検出されました。環境省は、放射性物質を含むおそれのあるまきを燃やした灰は自治体が回収したうえ、適切に処分するよう、福島県など8つの県に通知しました。
環境省によりますと、去年11月、福島県二本松市から「まきは燃やしても問題ないのか」という問い合わせを受けて、市内の2つの住宅で保管されていたまきをまきストーブで燃やしたところ、灰から、1キロ当たり最大で4万3780ベクレルの放射性セシウムが検出されました。
まきの扱いを巡っては、林野庁が去年11月、まき自体に含まれる放射性セシウムが1キロ当たり40ベクレルを超えるものは流通させないよう都道府県に通知しています。しかし今回のまきは、いずれも住民が近くの山から採ってきて震災前から庭で保管していたもので、原発事故によって放射性物質が付着したとみられています。
環境省は、震災後に屋外に保管されていたまきについて、まきストーブやボイラーで燃やして出た灰は庭や畑にまいたりせず、市町村が回収し、放射性物質の濃度に応じて適切に処分するよう、福島県を含む東北地方と関東地方の8つの県に通知しました。
まきストーブの灰からセシウム=4万ベクレル超-福島県二本松市
環境省は19日、福島県二本松市内の民家で使用されたまきストーブの灰から、一般廃棄物として処理が可能なレベル(1キロ当たり8000ベクレル)を上回る4万3780ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。まきは東京電力福島第1原子力発電所事故の前から民家の庭に保管されていたもので、まきからも最大4395ベクレルを検出。同省は「原発事故の影響以外に考えられない」としている。
同省は同日付で、除染の重点調査地域(102市町村)がある東北・関東の岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉8県に対し、まきストーブを使用した際に出る灰の取り扱いについて通知。灰は庭や畑にまいたりせず、市町村が一般廃棄物として収集、処分を行うよう求めた。
灰に含まれるセシウムの濃度が8000ベクレルを超える場合、「指定廃棄物」として国の負担による処分を申請できる。
一方、燃やす前のまき(ケヤキとクリ)からは、104~4395ベクレルを検出。林野庁は、40ベクレル超のセシウムを含むまきについては流通や使用を控えるよう指導しており、改めて周知を徹底する方針だ。(2012/01/19-18:33)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012011900514
まきストーブの灰からセシウム 福島・二本松市
2012/1/19 19:53
環境省は19日、福島県二本松市の民家で使用しているまきストーブの灰から、1キログラムあたり4万3780ベクレルと高濃度の放射性セシウムが検出されたと発表した。環境省は同日、汚染状況重点調査地域に指定している8県102市町村に対し、まきストーブから出る灰を庭に捨てないよう求める通知を出した。
2軒の民家の庭にあったまきと、まきストーブの灰に含まれる放射性セシウムの濃度を測定した。ケヤキを使ったまきにはセシウム134とセシウム137の合計で1キログラムあたり4395ベクレル含まれ、樹皮を除去すると同103.8ベクレルだった。
灰は昨年11月22日に採取した分が同2万8660ベクレル、翌23日の採取分は同4万3780ベクレルだった。同省は福島第1原子力発電所事故による飛散が原因とみており、調査対象を広げる方針。
まきストーブの排煙による推計被曝(ひばく)量も試算。6カ月間使用して出る排煙による住民の被曝量は1年あたり約0.01ミリシーベルト。環境省は「ほとんど無視できる値」としている。
同省が19日に出した通知では、市町村が灰を一般廃棄物として処分することや、収集されるまでは庭や畑にまかず、ビニール袋に入れて人が近寄らない場所などに保管するよう周知することなどを求めた。1キログラム8000ベクレル超の場合は国が処理する。
調査は昨年11月に二本松市からの依頼を受け、日本原子力研究開発機構と東京電力が実施した。