菅直人首相は15日、国会内で開かれた集会で「国会には“菅の顔は見たくない”という人がたくさんいるが、ならばこの法案を早く通した方がいい」と述べ、早期退陣を求める与野党議員を挑発した。
発言があったのは「再生可能エネルギー促進法」の制定を求める超党派議員らの集会。国会議員のほか、ソフトバンクの孫正義社長ら約350人が参加。首相は高揚した様子で早口で約20分間あいさつ。法案成立に強い意欲を表明した上で「この法律を通さないと政治家の責任を果たすことにならない」と強調した。
孫社長から「土俵際ですごく粘っている」と称賛され、会場を離れる際「辞めないで」の声が上がると、首相はピースサインで応える上機嫌ぶり。しかし、一部の議員はいぶかしげに首相をみつめていた。
そんな中、21日以降に開催される予定の民主党両院議員総会をめぐり、首相を出席させない“奇策”が浮上した。執行部は両院総会を開いて党内がさらに混乱することを懸念しており、民主党関係者は「混乱を避けたい岡田氏が首相に何らかの予定を入れるなどして総会を欠席させることも考えられる」と“菅隠し”の可能性を指摘。「総会を開かなければ党内の不満は強まるし、首相との“押し問答状態”に頭を悩ませる執行部の苦肉の策だ」とした。
2011年6月16日 06:00
菅首相、辞任表明から2週間も驚異の粘り 自民・麻生元首相「『辞め辞め詐欺』だ」
永田町では、菅首相が辞任表明から2週間、1.5次補正、会期延長、内閣改造など、いまだ「驚異の粘り」を続けている。
民主党の渡部恒三最高顧問は、「おれも長い国会議員生活して、こんなこと初めてですから、あしたのこと、予測できません」と述べた。
西岡参議院議長は、「初めて見る光景だと。そこんとこは、なんとも言えませんですね」と語った。
長らく永田町を見てきた2人のベテラン議員を驚かせた光景。
15日、菅首相は「『菅の顔だけは、もう見たくない』って人も結構いるんですよ、国会の中には。そういう人たちにですね、言おうかと思うんですよ。『本当に見たくないのか、本当に見たくないのか、本当に見たくないのか!』と。『それなら早いとこ、この法案を通した方がいいよ』と」と述べた。
西岡参議院議長は「意欲満々だという感じ、そういう印象を受けるわけですね。これ一体、なんなのかという感じなんですね」と述べた。
民主党の渡部恒三最高顧問は、「政治家の1人として、お恥ずかしい次第で」と語った。
野党・自民党からは、手詰まり感すら漂い始める。
自民党の麻生元首相は、「どう考えても、だました方に瑕疵(かし)があると、私どもはそう確信をしているわけ。『辞め辞め詐欺』だ」と述べた。
自民党の谷垣総裁は、「総理は、ますます裸の王様の色彩を強めている」と語った。
特例公債法案の成立を、菅首相の花道としたい民主党執行部は、子ども手当の見直しで野党との妥協点を探るも、協議は平行線に終わるなど、先行きは見えていない。
なりふり構わぬ延命策で、「バル菅」は永田町を翻弄(ほんろう)し続ける。
(06/17 00:13)
“電力買い取り法案”首相が決意
6月15日 22時37分
菅総理大臣は15日夜、“脱原発”に向けてエネルギー政策の転換を目指す超党派の議員らの集会に出席し、自然エネルギーによる電力を電力会社が買い取る仕組みなどを定める法案について、「これを通さないと、政治家としての責任を果たしたことにならない」と述べ、今の国会で成立させる決意を示しました。
この集会は、エネルギー政策の転換を目指す超党派の議員や有識者ら350人が参加して、15日夜、国会内で開かれたもので、菅総理大臣が急きょ出席してあいさつを行いました。
この中で菅総理大臣は、自然エネルギーによる電力を電力会社が買い取る仕組みなどを定める法案について、「すでに国会に提出されて何か月かたっていて、私も毎日のように、経済産業大臣や党の関係者に要請しているが、いろいろな力学があるのか、なかなかスイスイとはいかない」と述べました。
そのうえで「自然エネルギーという選択肢を育てる、その一歩になるという、この法案だけは、私は何としても通したい。これを通さないと、政治家としての責任を果たしたことにならない」と述べ、今の国会で成立させる決意を示しました。
また、ソフトバンクの孫正義社長が「土俵際で粘り通して、この法案だけは絶対に通してほしい」とエールを送ったのに対し、菅総理大臣は「国会には『菅の顔だけは見たくない』という人がいる。『本当に見たくないなら、早くこの法案を通したほうがよい』と説得する作戦でいこうと思う」と応じていました。