25カ国・地域が日本でつくられた農産品や加工食品の輸入規制
日本の農産品、25カ国が規制 中東や南米にも拡大
福島第1原発事故による放射性物質の放出を受け、少なくとも25カ国・地域が日本でつくられた農産品や加工食品の輸入規制に乗り出したことが4日、農林水産省の調査で分かった。規制の動きは当初、欧米やアジアが中心だったが、中東や南米にも拡大している。
日本産のすべての生鮮食品の輸入を一時停止としたアラブ首長国連邦(UAE)のように強硬策を取る国も多く、政府は各国に対し、科学的根拠のない規制を禁じた世界貿易機関(WTO)協定を守るように要請。日本の農産品に対する安全、安心のイメージの悪化は避けられそうになく、影響は長期化しそうだ。
調査は4日時点の各国の動向を農水省がまとめた。UAEのほかに輸入停止に踏み切ったのは米国、中国、韓国など。同日は、スイスが輸入規制を実施したことが新たに判明した。
食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出され、日本政府は福島、茨城、栃木、群馬の4県全域にホウレンソウなどの出荷停止を指示。米国や韓国は4県のホウレンソウなどの輸入を禁止したが、これ以外の品目や地域の農産品も輸入しないケースも多い。
ロシアは4県のほかに、千葉県と東京都のすべての食品の輸入を停止。フィリピンは4県のクッキーやチョコレートも輸入停止の対象とした。
シンガポールは4県に加え、輸入した野菜から放射性物質が見つかったなどとして、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、愛媛の6都県の野菜と果物の輸入も止めた。
欧州連合(EU)やブラジルなどは、放射性物質に汚染されていないことを示す証明書の発行を日本政府に要求。しかし、日本国内の検査機器が足りないため、証明書の発行ができず、事実上、日本から輸出できない状況だ。
2011/04/04 21:23 【共同通信】