2011/3/28 22:25 (2011/3/29 1:00更新)
【パリ=古谷茂久】東京電力がフランス電力(EDF)公社や仏原子力のアレバなど仏企業や仏原子力庁に対し支援を要請したことが28日、わかった。仏は核燃料の再処理技術を保有しており、福島第1原子力発電所で使われているウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料も現在のアレバの前身となる企業で加工された。
仏のベッソン産業・エネルギー・デジタル経済担当相が同日語った。支援の具体的な内容は明らかにされていないが、福島第1原発で漏れ出したプルトニウムなどに関する技術支援を要請した可能性がある。
ベッソン経済相は放射性物質の漏洩について「きわめて重大な問題」と発言。東電からの支援要請は今回が初めてとしたうえで、政府として要請を歓迎する意向を示した。また「(福島第1原発での)状況を正確に把握できない」と日本政府や東電の対応を暗に批判し「仏企業が現地で支援をすれば明らかになっていくだろう」などと語った。
EDFとアレバはすでに防護服などを日本に送っているが、今回の支援は別枠となる。仏は電力の約8割を原子力に頼る原発大国で、技術水準も高いとみられている。
東電、フランスに支援要請=「極めて危機的」と産業相
【パリ時事】ベッソン仏産業担当相は28日のラジオで、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発の事故を受け、東電から仏原子力庁と仏電力公社(EDF)、同国原子力大手アレバに支援要請があったことを明らかにした。EDFとアレバはAFP通信に、要請の具体的内容は明らかにできないとしている。
ベッソン氏は、現地で強い放射線が観測されたことを踏まえ、状況は「極めて危機的だ」と懸念を表明。「現時点で正確な状況把握は困難だ」と述べた。
アレバとEDFは既に、福島第1原発の事故を受け、燃料の核分裂反応を抑えるホウ酸約100トンのほか、防護服やマスクなどの支援物資を日本に送っている。(2011/03/28-20:58)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011032800925&m=rss