2011年3月24日12時15分
【ニューヨーク=勝田敏彦】米エネルギー省(DOE)は22日、福島第一原子力発電所の周辺上空を飛ぶ米軍機などが測定した放射線量や地上のデータから、被災地域の地上の人が1時間あたりに浴びる放射線量を推定した結果を公表した。原発から北西方向に線量が高い長さ30キロほどの「帯」が広がっていることがわかる。
空中測定は17~19日に行われた。推定結果にある毎時125マイクロシーベルトを超える放射線量の帯は、地元自治体の観測でも高い放射線量が観測されている福島県の浪江町や飯舘村付近を通っている。
DOEは「調査した全域で毎時300マイクロシーベルトを超えておらず、放射線レベルは低い」としつつも、高い線量の帯の中では8時間ほどで、一般市民が年間で浴びる人工放射線の線量限度1ミリシーベルト(1ミリは1千マイクロ)を超える計算になる。
DOEは推定結果を随時更新し、ウェブサイト(energy.gov/japan2011)で公表する。
米エネルギー省、放射線量の分布を分析・公表
【ワシントン=山田哲朗】米エネルギー省は22日、米軍機による放射線観測や地上での測定データに基づいて算出した、福島第一原発周辺の放射線量の推定値を公表した。
放射性物質の濃度が比較的高い地域は、原発から北西方向に向かい、浪江町を通って福島市の手前まで約40キロ・メートルにわたって帯状に広がっている。エネルギー省は、「観測値はすべて1時間あたり300マイクロ・シーベルト以下と低レベルである」としつつ、当局や作業員にこの分布をにらんだ安全対策を促している。
エネルギー省は、米軍機による17~19日にかけての40時間以上の飛行や地上測定地点からのデータを踏まえ、地上で受けると予想される放射線量を分析した。同省は、「こうした情報は日本政府と共有している」としている。
(2011年3月23日22時40分 読売新聞)