福島第一原子力発電所1-6号機の最新状況一覧(29日午後3時現在)
3月29日(ブルームバーグ):東京電力福島第一原子力発電所の29日午後3時現在の最新状況は以下の通り。
1-3号機: 東電によると、敷地内土壌からプルトニウムが検出されたことで、燃料損傷の可能性を検証している。タービン建屋外のトレンチから高濃度の放射物質を含む水が確認されたことについては、建屋地下からトレンチに汚染水が流れ出た可能性を検証している。
1号機: 原子力安全・安全保安院によると、原子炉の温度を下げるため、核燃料を冷却する淡水の注入量を28日午後8時に毎分113リットルから141リットルに増やした。29日午前6時の温度は323度で、今後の状況を注視している。使用済み核燃料プールへの生コンポンプ車による放水は31日に行う計画。
29日中にモニタリング用電源を復旧させ、中央制御室での各種データの取得を再開する見通し。タービン建屋内の汚染水は排水処理中で、水位変化など詳細データは得られていない。トレンチの汚染水の水位は立抗の出口から10センチ程度で推移しており、海に流れ出ないように土嚢やコンクリートパネルで応急処置を施した。
2号機: 保安院によると、タービン建屋地下の排水作業を準備中。1号機と同じく本来、蒸気を水に変える復水器を受け皿とする計画で、満杯状態の復水器から復水貯蔵タンクなどへの水の移送を29日に始める。原子炉冷却のため淡水注入を継続しているほか、燃料プールへの注水は29日中に淡水に切り替える。
3号機: 保安院によると、タービン建屋地下の排水作業を準備中。2号機と同じ手順で行う。原子炉冷却のための淡水注入は、28日に消防ポンプ車から仮設のディーゼル発電機と電動駆動ポンプの組み合わせに切り替えた。仮設ポンプへの切り替えは、2号機に続き2機目で、本来の目的と異なる消防ポンプ車に比べ、作業の持続性を保てるという。最終的に外部電源を利用する予定だが、ケーブル敷設のためタービン建屋地下の汚染水の処理が必要となる。
4号機: 保安院によると、29日に中央制御室の照明を復旧させる。
5号機と6号機: 原子力災害対策本部によると、5、6号機ともに外部電源に切り替え、原子炉は100度以下の「冷温停止」、燃料プールの水温は平常レベルで落ち着いている。
更新日時: 2011/03/29 15:19 JST