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2011/03/16

原子力安全・保安院 「早く水を入れて冷やさないと危険な状態になる」=16日未明の記者会見で

“4号機 早急な対策必要”
3月16日 6時49分



福島第一原子力発電所の4号機で核燃料を保管するプールの冷却ができなくなっていることについて、経済産業省の原子力安全・保安院は、16日未明の記者会見で、「早く水を入れて冷やさないと危険な状態になる」と述べ、早急な対策が必要だという考えを示しました。

福島第一原発4号機は、去年11月から、定期検査のために運転を止め、順次、原子炉の中にあったすべての核燃料548本を保管用のプールに入れています。

しかし、地震の影響でプールを冷やす水を循環させることができなくなり、14日未明の時点で水温が、通常よりおよそ40度高い84度にまで上がっていて、その後は、機器の故障などで、温度や水位を測れなくなっています。

これについて原子力安全・保安院は16日の記者会見で、水が蒸発してプールの水位が下がっているおそれがあるとしたうえで、「熱を持っている核燃料もあり、早く水を入れなければ、危険な状態になるものはある。あまり楽観的に考えない方がいい」と述べ、早急な対策が必要だという考えを示しました。

核燃料を保管するプールは、水で満たすことで燃料から出る放射線を封じ込める仕組みになっていて、水がなくなれば、燃料が溶けて、放射線や放射性物質が、外に漏れ出すおそれがあります。この問題では、海江田経済産業大臣が15日、東京電力に対しプールに速やかに水を入れるよう法律に基づいて命じています。






福島原発4号機に注水を命令=経産省が東電に、ヘリ使用も検討
 経済産業省は15日、東京電力に対し、同社福島第1原発4号機の使用済み燃料プールに早期の注水を行うよう、原子炉等規正法に基づき、海江田万里経済産業相名の命令を出した。

 4号機は、地震発生当時は定期検査のため運転を停止していたが、使用済み燃料を入れたプールの水温が上昇。水が蒸発し、燃料棒が露出する状態になった可能性がある。

 このため、経産省は原子力災害防止の観点から注水を命令。4号機の建屋は15日朝の爆発で壁面に穴が開いたことから、東電はヘリコプターを使った空からの注水も検討している。(2011/03/16-01:26)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031600049




被ばくの危険性も…自衛隊ヘリで散水検討
 政府は、火災が発生した東京電力福島第1原発4号機の使用済み核燃料を冷却するため、自衛隊のヘリコプターで上空から大量の水を投下する方法の検討を始めた。

 ただ水圧による核燃料の損傷や隊員が被ばくする危険性の見極めが付かず、当面は警察、消防による放水にとどめる。北沢俊美防衛相は「地上からの放水で(使用済み核燃料の温度上昇が)やや収まってきた段階で、大量に上空から落とすことになれば、任務を遂行する」と述べた。

 一方、在日米軍によると、米軍横田基地などからも15日朝、ポンプ車計2台が派遣された。現地に到着後、東京電力側に引き渡され、支援活動が行われた。2号機で海水注入作業などに使われたとみられる。
[ 2011年3月16日 06:00 ]





東日本大震災:福島第1原発 空からの放水「当面は困難」
 防衛省は、東京電力福島第1原発4号機の使用済み核燃料を冷却するため、自衛隊のヘリコプターで大量の冷却水を上空から投下することを検討していたが、デリケートな核燃料への影響や隊員の被ばくの可能性などから、16日午前までに「当面は困難」と判断した。冷却作業は、警察・消防による放水で対応する見通しとなった。

 同省によると、立ち上る放射性物質を受けての作業は危険で、数十メートル離れたヘリから水をまけば、放射性物質を拡散させかねないという。また「隊員の被ばくの可能性など安全性も確保できず、1回で運べる水の量も限られているため、地上から放水した方が効率的という話になった」(自衛隊幹部)としている。

 北沢俊美防衛相も15日夜、防衛省で記者団に対し、「(まず)地上から放水方式でやる。その成果を見極めて、(熱や放射性物質が)やや収まってきた段階で、大量に上空から落とすことになれば任務を遂行する」と述べた。4号機に対する消防や警察の放水作業の際、中央特殊武器防護隊などが保管している防護服を貸し出すことなどで協力する。【坂口裕彦】

毎日新聞 2011年3月16日 10時15分(最終更新 3月16日 10時45分)