COP16閉幕、「ポスト京都」論点は先送り 「13年以降の枠組み」早期構築を採択
2010/12/11 20:57
カンクン合意の骨子
○産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える
○温暖化で生じる被害への対策を進める「カンクン適応枠組み」を設立
○新興・途上国は20年に何も対策をとらないときと比べ温暖化ガス排出量を減らす
○途上国支援へグリーン気候基金を設立
COP16閉幕、「ポスト京都」論点は先送り 「13年以降の枠組み」早期構築を採択
2010/12/11 20:57
【カンクン(メキシコ)=辻征弥】第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)は11日未明、米中など温暖化ガスの主要排出国が加わる新たな温暖化対策の枠組み「ポスト京都議定書」の早期策定を目指す決議を採択し、閉幕した。ただ削減目標など具体的な協議は来年に先送りした。日本が反対した京都議定書の延長はひとまず回避したものの、協議は続ける。各締約国は早期合意を目指すが、米中などを含めた新たな枠組みを作れるかは依然、不透明だ。
現在の京都議定書の枠組みは2012年で期限が切れるため、13年以降の国際枠組みを決められないと空白期間が生じる。これを避けるには、11年末に南アフリカのダーバンで開催されるCOP17で最終決着を図る必要がある。
COP16ではCOP17に向け(1)ポスト京都につながる原案文書(2)ポスト京都の枠組みができなかった場合の京都議定書延長案文書――の2つをとりあえず採択した。ポスト京都の原案文書には、各国がそれぞれ排出削減目標を設定し、実現のため先進国が新興・途上国を支援することを盛り込んだ。現行の京都議定書とは違い米中など温暖化ガスの主要排出国も参加するのが前提だ。
一方、京都議定書の延長案は、米中が参加しない現行の京都議定書に沿って、日欧などだけが削減義務を負う枠組みで、17年または20年までの義務的な削減目標を設定する内容。COP16では京都議定書が12年で期限が切れた後に、空白期間が生じないよう議定書の延長に関する協議を続けることを決議した。
日本は、主要排出国が参加するポスト京都の設定を主張。京都議定書の延長案には反対している。ただ、途上国が京都議定書延長を支持したほか、欧州連合(EU)は条件付きで延長受け入れを表明。対立は解消せずCOP17に持ち越された。