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2010/12/14

ロシア、6ヶ国協議再開へ調整 南北朝鮮外相と会談

毎日新聞 2010年12月14日 東京朝刊
6カ国協議:再開へ調整 ロシア、北朝鮮と外相会談
【モスクワ大前仁】北朝鮮の朴宜春(パクウィチュン)外相は13日、訪問先のモスクワでラブロフ露外相と会談した。ロシアは6カ国協議の早期再開を支持しており、北朝鮮に対して核開発問題や先月に起きた砲撃事件で柔軟姿勢を示すよう促したとみられる。

 また、6カ国協議のロシア首席代表を務めるボロダフキン外務次官は15日にモスクワで、韓国代表の魏聖洛(ウィソンラク)外交通商省・朝鮮半島平和交渉本部長と会談する。



 ロシアが南北高官と相次いで会談する背景には、6カ国協議の再開を積極的に調整することで協議における存在感をアピールする狙いがある。また日米韓が北朝鮮の砲撃事件への対抗策として、軍事演習を強化している事態へのけん制もあるようだ。ロシア外交筋は「6カ国協議再開へ向けた環境整備を考えるべきだ」と訴える。

 一方で朴外相はインタファクス通信との会見で、砲撃事件について「米国と南朝鮮(韓国)が敵対的な政策を捨てておらず、朝鮮半島の緊張緩和を実現できない」と強硬姿勢を鮮明にした。ロシアは北朝鮮寄りの立場を取ることが多いが、砲撃事件を明確に批判している。そのため北朝鮮は今回の会談を通じて、自国の立場への理解を求める考えのようだ。
毎日新聞 2010年12月14日 東京朝刊