米政府、民間航空に飛行計画提出促す 中国の防空識別圏
2013.11.30 Sat posted at 15:49 JST
(CNN) 中国が東シナ海に設定した独自の防空識別圏の問題で、オバマ米政権高官は29日、米国の民間航空会社に対しこの識別圏を通過する際、中国政府の求めに従い飛行計画を通告するよう求めていることを明らかにした。
米政府はこの識別圏を認めないとの立場を示しながらも、飛行計画の通告は安全対策上の理由で必要としている。米連邦航空局(FAA)による通常の助言内容に添った措置ともしている。
防空識別圏をめぐる日米と中国の間の駆け引きが軍事面だけではなく、無関係の民間部門にも予期せぬ事態を招きかねないとの懸念を反映しているとみられる。
米国務省は2日前、国際路線に就航する民間航空会社が政府の指示に従うという形ではなく、他国の義務事項に応じることを一般的に期待しているとの立場を示していただけに、今回明らかになった飛行計画の提出要請は軌道修正を意味している。
中国は識別圏設定に伴い、空域利用の場合、飛行計画の事前通告を要求。ただ、日本の主要航空会社2社はこれに応じていない。
http://www.cnn.co.jp/world/35040734.html
米航空3社、中国に飛行計画提出 防空圏設定で
2013/12/1 17:19
【ワシントン=共同】ユナイテッド、アメリカン、デルタの米航空大手3社は11月30日、沖縄県・尖閣諸島の上空周辺を含む東シナ海に防空識別圏を設定した中国当局に対し、対象空域を通過する便の飛行計画を提出し始めたことを明らかにした。ロイター通信などが報じた。
この空域を飛行する日本航空や全日本空輸は日本政府の要請に基づき、飛行計画を提出しない対応を続けており、日米の民間航空業界の対応は割れることになった。
ただ、米政府は日本と同様、中国の識別圏設定は一方的措置であり認められないとの立場を堅持、同空域での軍用機の飛行は従来通り事前通告なしで続けている。日本政府は、こうした措置を含めた一段の連携について、2日からのバイデン副大統領の日本訪問を通じて確認したい意向だ。
米政府は、民間航空会社に対しては安全上の観点から、中国が求める飛行計画の提出を容認する方針を11月29日に示していた。米CNNテレビによると、米航空3社は「米政府の助言に従って」中国当局の要求に応じていると説明した。
安倍晋三首相は1日「米政府が民間航空会社にフライトプランを提出するよう要請したことはないと外交ルートを通じて確認している」と説明。米政府の「要請」を否定することで日米両政府の対応の食い違いを目立たせない意図があるとみられる。
ロイターによると、デルタ航空は過去1週間にわたり中国の要求に応じていることを認めた。ユナイテッドとアメリカンの2社も既に飛行計画を提出しているが、いつから始めたかは明らかにしていないという。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0100W_R01C13A2000000/
首相、米副大統領と協議へ 防空圏への対応で連携
2013/12/1 18:24
安倍晋三首相は1日、中国が東シナ海で防空識別圏を設定したことをめぐり、2日に来日するバイデン米副大統領と対応を協議し、緊密に連携していく考えを表明した。視察先の岩手県釜石市で記者団の質問に答えた。
米国務省は11月29日に「航空会社は一般的に外国政府の航空情報に従うべきだと期待している」との声明を発表、不測の事態を恐れる航空会社が中国当局に飛行計画を提出することを事実上、容認した。日本政府は航空各社に飛行計画を提出しないよう求めている。
首相は「民間航空会社にフライトプランを(中国側に)提出するよう要請したことはないと外交ルートで確認している」と述べ、米政府が航空会社に要請したわけではないと強調。「副大統領としっかり協議しながら緊密な連携をとって対応していきたい」と語った。
同時に「力を背景とした中国の現状変更に対しては日本の領土、領海、領空を断固として守っていくという決意のもと、毅然としてかつ冷静に対応していく」と訴えた。
小野寺五典防衛相も1日のNHK番組で「米国は日本と同じスタンスをとっている」と主張。日本側が中国当局に事前通告するかに関しては「民間航空機を含め、通常、通報する義務はない」と改めて強調した。中国の防空識別圏設定を「一方的、独善的だ」と批判し、「少し前からそのような動きをしていると認識していた」と話した。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS01003_R01C13A2PE8000