韓国の水産物輸入禁止、群馬県も対象 「海ないのに」困惑の声
2013.9.7 02:09 [放射能漏れ]東京電力福島第1原発の汚染水漏洩(ろうえい)問題を理由に、韓国政府が群馬県など8県の水産物輸入を全面的に禁止すると発表した。取材に対して県蚕糸園芸課は6日、「現在、県産水産物の韓国への輸出はなく、ただちに影響はない」と説明している。
しかし、突然の名指しに“海なし県”の県関係者からは戸惑いや疑問の声があがっている。
そもそも群馬県は太平洋に面しておらず、福島第1原発の汚染水による直接の影響は考えにくい。それでも韓国が群馬県を輸入禁止対象に含めたことに、同課の担当者は「どうしてそうなったのか全くわからない」と戸惑いをみせた。
群馬漁業協同組合の関係者も「群馬とか栃木とか海に面していない県が入っているのはなぜだろう」と当惑していた。
韓国が輸入禁止を発表したことで、風評被害の発生も懸念されるが、県担当者は「今後状況を見守っていきたい。風評被害が発生すれば対応を考えていきたい」と話した。
韓国が水産物輸入全面禁止 対象となった自治体では戸惑いの声
韓国政府は、福島第1原発から汚染水が漏えいした問題を受け、福島など8つの県からの水産物の輸入を全面禁止すると発表した。対象となった自治体では、戸惑いの声も広がっている。
韓国・ソウル市内のスーパーでは、6日朝に市場で仕入れたという新鮮な魚が並べられていた。
国内産、それからロシア産、ノルウェー産などがあるが、以前は置いていたという日本産は、もう置いていないという。
最近、韓国では日本産に限らず、魚介類を避ける傾向があるという。
焼き魚店では「日本の放射能流出のせいで、実は売り上げがたくさん落ちている。わが店では、日本産を置いていないのに、ほかの魚も全部避けられている」といった声が聞かれた。
6日、韓国政府は会見で「今後、福島周辺8県の全ての水産物に対して、輸入禁止の特別措置を下すことを決めた」と発表した。
9月9日から、福島県など8県の水産物の輸入を、放射性物質が検出されたかどうかにかかわらず、全面的に禁止すると発表した。
韓国では、日本産の水産物のおよそ15%にあたる、5,000トンが輸入禁止になる。
宮城県の村井嘉浩知事は「大変残念に思います。ひと言で言って、過剰に反応しすぎではないかというふうに受け止めております。客観的な基準に基づいた、冷静な対応をするべきだというふうに思います」と述べた。
岩手県の達増拓也知事は「品目ごとに、また、品目によっては、それぞれの場所ごとに、きちっと検査をして、安全を確保しているということを、この機会にまた申し上げたいと思います」と述べた。
福島県の佐藤雄平知事は「国策で進めてきた原発事故ということであるんで、国もしっかりと正確な情報を伝えて、不安とか風評の払拭(ふっしょく)に努めていただきたい」と述べた。
今回対象となった8県の中には、海に面していない栃木県や群馬県も含まれている。
これに対し、群馬県農政部蚕糸園芸課は「群馬から韓国へ、そもそも水産物について輸出をしてないんですね。これまでも輸出の実績もない。なぜ群馬が今回の対象になっているのかと、理解に苦しむ」と述べた。
(09/07 01:23)
「五輪招致で姑息な手」 韓国メディアが日本の対応を酷評
2013.9.3 22:40 [東京五輪招致]
日本政府が3日、東京電力福島第1原発の汚染水漏れへの総合的対策を決めたことについて韓国メディアは「五輪招致のための姑息な手」(毎日経済新聞)、「継ぎはぎ対策」(SBSテレビ)などと酷評した。
2020年夏季五輪の開催地決定直前に対策が打ち出されたことに焦点を当て、東京招致に悪影響が出るのを避けるため「あたふたと」(聯合ニュース)つくった対策と伝えている。
一方、韓国政府は「詳しく(中身を)見ていない」(外務省報道官)と評価を避けた。韓国では日本産だけでなく近海、遠洋産魚介類にも放射性物質の影響が出るとの不安が拡大し、政府は打ち消しに追われている。日本の汚染水対策を批判すれば、自国の原発推進政策にも悪影響が出るとみて歴史問題での強硬姿勢とは対照的に静観する構え。
韓国メディアはまた、五輪の東京招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)委員に東京には汚染水の影響はないと訴える手紙を送ったことなども批判的に伝えた。(共同)