2012年 03月 16日 09:58 JST
[ブリュッセル 15日 ロイター] ベルギーに本部を置く国際銀行間通信協会(SWIFT)は15日、核開発を進めるイランに対する制裁強化策の一環で、欧州連合(EU)のブラックリストに載っているイランの銀行を送金システムから排除すると発表した。欧州の監督当局の指示に基づく措置で、17日1600GMTから実施される。
SWIFTは1日当たり推定6兆ドル以上の決済情報を処理している。
国際決済からイラン排除 EU、制裁を強化
2012/3/16 11:33 (2012/3/16 13:20更新)
【ブリュッセル支局】欧州連合(EU)は15日、イランの核開発問題への制裁強化策の一環として、同国に銀行間の決済に必要なサービスを提供することを禁止すると発表した。イランの銀行に照準を定め、送金などの国際的な金融取引のネットワークから事実上、締め出す狙いがある。
世界規模の送金網から排除される対象になるのは、EUの資産凍結の対象となっているイランの個人や企業・団体。EUの措置を受けて、ベルギーに本部を置く銀行間決済ネットワーク「国際銀行間通信協会」(SWIFT)は15日、イランの銀行への決済情報提供サービスを17日から停止すると発表した。
SWIFTは世界各国の主要な金融機関が加盟し、国際的な資金の流れを保つのに不可欠な組織となっている。イランの銀行は今後、国外から送金を受けることなどが難しくなるとみられる。この措置により貿易に関連したイラン企業の資金繰りが苦しくなるとの見方も出ている。
米財務省高官は15日、SWIFTによるサービスの打ち切りを歓迎するとの声明を発表。イランの銀行が国際金融界で孤立を深める見通しを強調するとともに「不正な核開発を続けるイラン政権への大幅な圧力強化が必要」との認識を改めて表明した。同時に制裁の効果が確実に上がるように欧州などと連携を深める方針も示した。
一方、日本は欧米の経済制裁に歩調を合わせてイラン産原油の輸入を減らそうとしている。一部の取引で代金の決済が残っていれば、SWIFTのサービス停止が影響する可能性もある。
イラン金融機関を国際送金ネットワークから排除へ
2012.03.16 Fri posted at: 11:32 JST
(CNN) 銀行間の国際的な送金ネットワークを運営する「国際銀行間通信協会」(SWIFT、本部ベルギー)は15日、欧州連合(EU)の決定を受け、EUの制裁対象となっているイランの金融機関に対する通信サービスを停止すると発表した。
SWIFTのラサロ・カンポス最高経営責任者(CEO)によれば「ネットワークから金融機関を切り離すことは異例かつ前例のない措置」だという。
専門家によれば、この措置によって貿易に携わるイラン企業の資金繰りはさらに厳しくなるという。特に影響が大きいのは、ペルシャ湾岸諸国でビジネスを行っているイラン系の貿易会社だ。
実際にネットワークから切り離されるのは17日の予定。対象となるイランの金融機関は約30に上る。
国際金融 イランを締め出しへ
3月16日 8時37分
EU=ヨーロッパ連合が、核開発を続けるイランへの制裁強化の一環として銀行間の決済に欠かせない情報の提供を禁止することを決め、国際的な金融取引からイランの中央銀行などが事実上、締め出されることになりました。
EUは15日、イランへの制裁強化の一環として、すでに資産凍結などの制裁の対象になっている個人やイランの中央銀行などに対し、国際的な銀行間の決済に欠かせない情報の提供を禁止することを決めました。
これを受けて、ベルギーに本部を置き、銀行間の国際的な資金決済に使われるSWIFTは、EUの決定に従い、17日からイランの金融機関に対するサービスの提供を停止すると発表しました。
SWIFTは、日本を含め210か国の1万を超す金融機関の間で決済に関する情報を提供しており、送金などの取引にあたって、銀行を確認するためのいわば郵便番号に当たり、国際的な資金の流れには欠かせないものです。
イランの銀行は、SWIFTのサービスから排除されることで、国外からの送金を受けることが一段と難しくなり、国際的な金融取引から事実上、締め出されることになり、原油代金の決済などでイランの銀行と取引する日本の金融機関にも影響が及ぶことも懸念されます。
アメリカのコーエン財務次官は、15日、「不正な核開発を続けるイランに対し圧力を強める必要があるという国際社会の合意を反映したものだ」とする声明を発表し、歓迎する考えを示しました。
そのうえで、「アメリカとしてもヨーロッパ各国と引き続き協力し、イランへの制裁をどのように、より効果的なものにするか、引き続き話し合っていきたい」としています。