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2011/12/11

汚染水の海洋放出は計画に盛り込まれず=福島第一原発の中期的施設運営計画

冷却維持など「妥当」=福島第1原発の中期計画-保安院
 東京電力福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院は9日、東電が提出した中期的施設運営計画に関する専門家からの意見聴取会を開き、同計画のうち原子炉への注水や汚染水処理、再臨界の防止などに関する主要部分を妥当と評価した。近く評価書をまとめ、週明けにも国の原子力安全委員会に報告する。

 同計画は、16日にも宣言される見込みの「冷温停止状態」達成後、約3年間の安全確保策。保安院は(1)放射能の放出抑制(2)原子炉や燃料プールの冷却(3)再臨界防止(4)水素爆発防止-の観点から、適切な措置がなされていると評価した。

 保安院は主要部分のほか、放射性廃棄物の管理なども同計画で策定するよう指示しているが、東電は処理済み汚染水の海洋放出を盛り込もうとして漁業団体などから強い批判を浴び、一部の項目は未提出になっている。(2011/12/09-16:57)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011120900800




「ステップ2」達成へ…東電の計画「妥当」評価
 経済産業省原子力安全・保安院は9日、東京電力福島第一原子力発電所の冷温停止状態から2~3年間の中期的な安全対策を定めた東電の施設運営計画を「妥当」とする評価書の原案をまとめた。

 原子炉の安定冷却を維持する対策がとられることなどから判断した。これで冷温停止状態の実現を柱とする工程表の「ステップ2」達成の前提条件が出そろったことになる。

 保安院は同日開かれた有識者会議の意見を踏まえ、週明けにも評価書を原子力安全委員会に報告する。

 同計画は、ステップ2達成以降、廃炉作業が本格化するまでの安定冷却維持や再臨界防止などの対策をまとめたもの。ステップ2達成には「原子炉圧力容器底部の温度が100度以下」「放射性物質の放出管理」のほか、同計画の妥当性の確認が要件となっていた。

(2011年12月9日22時29分 読売新聞)





海洋放出、計画盛り込まず=東電「断念せず検討続ける」-処理後の汚染水・福島第1
 東京電力は8日夜、福島第1原発の中期的な施設運営計画を、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。漁業団体から抗議を受けていた汚染水の海洋放出は計画に盛り込まなかった。断念ではなく、検討中としている。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は同日夜に記者会見し、海洋放出について「現時点では意思決定ができていない。さまざまなご意見を踏まえながら検討を進める」と説明。運営計画の再提出の際に、海洋放出を盛り込む可能性を否定しなかった。

 その上で「大きな方針はあくまで敷地内での再利用と保管。原子炉への注水に使うほか、構内での散水という仕方もある」と強調。一方で「半永久的にタンクを作るのは不可能。海洋放出もオプションとして考えていた」と述べ、直前まで計画に盛り込む方針だったことも認めた。(2011/12/09-00:32)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011120801020




東日本大震災:福島第1原発事故 浄化水、海へ放出見送り 東電、全漁連から反発受け
 東京電力は8日、福島第1原発の「中期的安全確保の考え方」に基づく施設運営計画を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。建屋地下などに流入した汚染水を浄化して海に放出することを検討したものの、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の抗議などを受けて計画には盛り込まず、当面見送ることにした。

 東電は同原発の冷温停止状態を維持するための施設運営計画の策定にあたって、汚染水の処理方法を検討。地下水が建屋内に1日あたり200~500立方メートル流入して汚染水が増え続けており、将来貯蔵タンクの容量を超えると試算した。汚染水や地下水を新たに処理し、法律に基づく放射性物質の濃度限度を下回らせて放出することを検討していた。だが、全漁連から8日に抗議を受けて再検討していた。

 計画は、原子炉格納容器や使用済み燃料プールからの燃料取り出しなどについて策定した。保安院は9日、専門家の意見聴取会を開いて計画の妥当性を評価する。【関東晋慈】

毎日新聞 2011年12月9日 東京朝刊