東京都公安委員会は15日、警備員教育を怠っていたなどとして、日月警備保障(本社・千代田区、浜野亘秀社長)に対し、都内での営業を21日間停止する処分を決めた。同社の立川営業所(立川市)では5月、国内最高額の現金約6億円が奪われる事件が起きている。
警視庁生活安全総務課によると、同社は新人で30時間が必要と決められている従業員教育を十分行わず、教育時間の報告でも隠蔽(いんぺい)を図っていたという。事件では、夜間に警報装置を作動させず、営業所の窓の鍵が壊れていたことを本社に報告していないなどの管理体制も問題になった。
同社は「二度と引き起こさないよう管理体制を整備する」とするコメントを発表。現金輸送業務から撤退するという。
同社に対する都公安委の行政処分は5回目。03年10月には、駐車場に止めていた現金輸送車から約1億5000万円が盗まれる事件があり、15日間の営業停止処分を受けている。【小泉大士】
毎日新聞 2011年7月16日 東京朝刊
6億被害の日月警備保障、21日間の営業停止
東京都立川市の警備会社「日月(にちげつ)警備保障」立川営業所から現金約6億円が奪われた事件に絡み、都公安委員会は15日、警備業法に基づく同社への営業停止処分の期間を、21日間とすることを決めた。
事件後の警視庁の立ち入り検査で、同社が警備員に十分な教育を行っておらず、それを隠蔽するため、虚偽の教育時間を記入した帳簿を作成していたことなどが発覚したためで、同委は12日に営業停止にする方針を決めていた。同社は過去にも4回、営業停止などの行政処分を受けている。
(2011年7月15日19時49分 読売新聞)