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2011/07/08

「焼肉酒家えびす」の運営会社が自主解散

「焼肉酒家えびす」運営会社解散 フーズ・フォーラス社
2011年7月8日17時39分
 焼き肉チェーン「焼肉酒家(さかや)えびす」の集団食中毒で、チェーンを運営するフーズ・フォーラス社(金沢市)が8日、会社を解散して清算手続きに入った。同社の代理人弁護士が明らかにした。勘坂康弘社長は退任し、弁護士の知人が清算人を務める。


 代理人弁護士によると、北陸3県と神奈川県にある全20店舗を約3億円で売却。今回の食中毒で支払いを受ける保険金1億円や、同社と勘坂社長の預金計約3億円などと合わせて、食中毒患者や遺族への補償金などにあてるという。

 ただ、同社の負債は10億円を超えており、約5億円以上と見込まれる補償金の支払いを優先するため、同社は11日の説明会で取引先に債権カットへの協力を求める予定だ。(生田大介)




「えびす」の集団食中毒事件に絡み「フーズ」自主解散…富山
 焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件に絡み、運営会社「フーズ・フォーラス」(石川県金沢市)が8日、自主解散した。

 債務超過の状態にある中で、裁判所への破産申し立てなど法的整理でなく、自主解散を選択したのは、今後の清算手続きで「被害者への補償を最優先させるため」(同社関係者)。ただ、11日に金沢市内で開く債権者説明会で要請する方針の債権放棄に同意が得られるかは不透明。被害者補償の先行きは依然、混沌(こんとん)としている。

 同社ホームページで公開された債権者への案内文書によると、同社は、各債権者から債権額の申告を受け、負債総額を確定。店舗などを売却した資金で配当手続きを行うとしながらも、「社会的責任を全うするためにも、被害者の方々への弁償を最優先に行いたい」として、債権放棄に理解を求めている。

 一方で、債権放棄に異論が出た場合は、「破産申し立てもしくは特別清算の申し立てをすることになる」と法的整理を行う可能性も示唆。法的整理では、債権者に資産が分配され、被害者への補償にほとんど回らない可能性も出てくる。

 同社は全20店舗のうち、富山など北陸3県の16店舗と神奈川県の4店舗をそれぞれ管理する2子会社を設立。今月下旬までに全店舗を一括売却するため、元従業員の雇用も条件に数社と交渉中という。

 解散に伴い、勘坂康弘社長が退任、清算人には同社法務部長の大村安孝氏が就いた。

(2011年7月9日 読売新聞)