製茶から国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、静岡県の川勝知事は14日の記者会見で、「報道が風評被害をあおっている」とNHKを名指しで厳しく批判した。
川勝知事は「風評被害の最たるものは、一部のここにいる人たちです。9日の9時台の全国ニュースは、『静岡県で暫定規制値を上回るものが出た』。なんというふらちなことだ。一局所を全体であるかのごとく報道する、本当に道義的に問われるべきだ」と激しい口調で批判した。
さらに、「公器であることをわきまえなさい。1面トップや、NHKを見た人が、見出しと報道で、静岡茶は全部やられたと思っています。一部をもって、全体にした反省をしていただきたい。責任重大ですよ、君たち」と批判を続けた。
NHK名古屋放送局広報部は、取材に対し、「報道した内容は事実です。知事の発言についてコメントすることはありません」と話した。
(2011年6月15日08時58分 読売新聞)
検査要求に激怒も… 静岡・川勝平太知事
2011.6.12 08:00
「風評被害は政府の本丸から来ている。責任をしっかり追及していきたい!」。国が突如求めた製茶の検査をめぐり、産地19カ所を対象にした県の検査で、いずれも国の定める暫定基準値を下回る“シロ”の結果が伝わった9日、こう声を荒らげた川勝平太知事の怒り様は痛烈だった。
基準値を上回れば、生産量で国内の4割を占める静岡県の茶業は大打撃を受ける。すでに生葉と飲料茶の独自調査で安全性を確認していたにもかかわらず、製茶に生葉などと同じ基準の検査を求めた国の“暴挙”に、川勝知事は「根拠なくわれわれに無駄な時間と労力を費やさせた」と吐き捨てた。
一方で、民間の検査では静岡市産の製茶から基準値を超える放射性物質が検出。1工場で出荷制限となった事態にも、「基本的には安心だ」と、少し歯切れが悪かった。