東日本大震災により大きく地盤沈下した東北、関東地方の太平洋側で、宮城県以南では地震後から隆起が始まったことが国土地理院の分析でわかった。
岩手県以北は沈降が続いており、「なぜ隆起と沈降で分かれるのかは不明」としている。
今回の地震では、陸のプレート(岩板)が大きく跳ね上がった反動で、東北地方の太平洋側を中心に地盤が大きく沈降。GPS(全地球測位システム)の観測では、宮城県・牡鹿半島が1・2メートル沈み、海抜0メートル以下が56平方キロに拡大した。
だが、3月12日~5月21日にかけて、牡鹿半島で8・1センチ上昇した。ただ、隆起のペースは急速に落ちており、このままでは元には戻らないという。
(2011年6月13日21時37分 読売新聞)
震災で沈下した地域の一部隆起 宮城・牡鹿半島8センチ
2011年6月13日23時25分
国土地理院は13日に開かれた地震予知連絡会で、東日本大震災で地盤沈下した沿岸地域の一部で隆起が観測されたと発表した。隆起量はわずかで、このままでは多くの地域で地盤は長期間、元に戻らない、との見方を示した。
地盤は、岩手県と宮城県の県境付近から北では沈降が続いているが、南では隆起傾向がみられた。5月21日までの隆起量は、地震時に約120センチ沈下した宮城県の牡鹿半島が8センチ、約50センチ沈下した福島県いわき市で2.4センチ、約30センチ沈下した茨城県日立市は1.2センチ、約15センチ沈下した千葉県銚子市で6.9センチだった。