2011年5月12日23時5分
民主党は、官僚の答弁禁止や政務三役の増員を盛り込んだ「国会法改正案」の撤回を決めた。閣僚の上限拡大を目指す内閣法改正案と内容が重なるからだ。12日には、国家戦略室の「局」昇格などを盛り込んだ「政治主導確立法案」の撤回も衆院本会議で可決された。民主党の看板だった「政治主導」の器づくりは当分、先送りになった。
国会法改正案は議員立法。2009年の政権交代後、「政治主導」「脱官僚」を目指す小沢一郎元代表の肝いりで10年5月に提出された。小沢氏は筆頭提出者にもなった。
ところが、小沢氏の「政治とカネ」をめぐり、国会審議は停滞。昨夏の参院選で民主党が大敗し、ねじれ国会となったことで、成立のめどが立たなくなった。
さらに、菅直人首相が東日本大震災の復興担当相の新設などを図り、内閣法改正案の提出を決めたことに、野党が「法案の内容が重なる」と批判。民主党が国会法の撤回を決めた。
12日の衆院議院運営委員会理事会では、民主党の松野頼久筆頭理事が、小沢氏から撤回に必要な筆頭提出者の同意を得ていると報告。17日の同委員会で正式に撤回される見通しだ。