東京都は23日、金町浄水場(葛飾区)の水道水から乳児向けの飲用基準の約2倍に当たる放射性ヨウ素131を検出したと発表した。同浄水場の供給先の23区と武蔵野、町田、多摩、稲城、三鷹の5市に居住する住民に対し、乳児の水道水摂取を控えるよう要請した。
都水道局は、同基準について「長期にわたり摂取した場合の健康影響を考慮して設定したもので、代替となる飲用水が確保できない場合は、摂取しても差し支えない」と説明。石原慎太郎知事は「今後も継続して検査結果を公表していくので、水の使い方を冷静に行ってほしい」と呼び掛けた。
都は、摂取を控えるよう要請した自治体の乳児のいる家庭に対し、1人当たり3本、計24万本のミネラルウオーター入りのペットボトル(550ミリリットル)を配布する。24日午前中に都から各市区への搬送を開始する。また、飲料水業界に対しては、農林水産省を通じてミネラルウオーターの増産を要請する。
水道局は、福島第1原発の事故との因果関係に関しては「どう水源に影響したかは分かりかねる」としている。また、厚生労働省も「気象条件が重なったかもしれないが、調べてみないと分からない」と話している。
食品衛生法に基づき定められた、乳児向け飲用基準の厚労省の暫定規制値は1キログラム当たり100ベクレル。22日午前9時に同浄水場で採取した水道水からは2倍以上の210ベクレルが検出された。23日午前9時採取分では190ベクレルだった。乳児以外向けの規制値300ベクレルは下回っている。放射性セシウム137は検出されなかった。
また、同水道局の他の浄水場では、23日午前9時時点で、朝霞浄水場(埼玉県朝霞市)と小作浄水場(東京都羽村市)では放射性ヨウ素は検出されなかった。都によると、金町浄水場の水道水を利用している都民は二百数十万人に上るという。(2011/03/23-22:02)
2011/03/23
金町浄水場(葛飾区): 22日午前9時採取分は210ベクレル 23日午前9時採取分では190ベクレル
水道水から放射性ヨウ素=乳児飲用基準の2倍-東京都