福島第一原発の放射能漏れの影響で、23日、日本産食品などの輸入停止措置がアジア各地で相次ぎ発表された。
豪AAP通信によると、オーストラリア政府は23日、福島第一原発事故で漏れた放射性物質による汚染が懸念されるとして、福島、茨城、栃木、群馬の4県で生産されたすべての食品の輸入の停止を決めた。
香港からの報道によると、香港政府は23日、日本から輸入されたホウレンソウ、大根から基準値の2~10倍の放射性物質が検出されたとして、福島、千葉、茨城、栃木、群馬産の農産品、ミルクの販売を禁止した。
インドネシアのファデル・ムハマド海洋水産相は23日、日本からの水産物の輸入を一時的に禁止する方針を明らかにした。日本からの輸入水産物が汚染されている証拠はないが、市民の懸念を解消するための措置だという。国営アンタラ通信などが報じた。(シンガポール 岡崎哲、台北 源一秀、ジャカルタ 林英彰)
(2011年3月24日00時21分 読売新聞)
カナダ、豪が輸入制限 4県の乳製品と野菜
カナダ、オーストラリア両国は24日までに、福島第1原発事故で放射性物質による汚染の懸念が出ているとして、福島、群馬、茨城、栃木の4県で生産された乳製品や果物、野菜などの輸入を制限すると発表した。同様の動きが各国に広がる可能性がある。
カナダの食品検査庁は23日、これらの食品について安全を証明する書類がなければ同国への輸入を認めないと発表。
汚染の可能性がある食品はすべて、カナダ原子力安全委員会の定めた手順に従い廃棄されるとしている。食品検査庁によると、カナダが輸入する食品のうち日本産の割合は0・3%未満。
一方、オーストラリアの食品基準管理当局は24日、乳製品や野菜のほか、海藻や海産物の4県からの輸入を中止すると発表。声明で「各国の対応も考慮した上での予防的措置」と説明した。
ただ、同当局によると、日本から現在輸入しているのは海藻と海産物だけで量も少ないため、影響は小さいとみられる。
米食品医薬品局(FDA)は22日に輸入停止措置を発表。香港政府も、千葉を加えた5県の野菜や肉の24日からの輸入停止を決めたほか、韓国も輸入禁止を検討している。(共同)
[2011年3月24日11時25分]
香港 5県からの乳製品、野菜など輸入禁止
2011年3月24日 13:51
香港特別行政区政府は24日から、放射能汚染の危険があるとして福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県からの乳製品、野菜、果物の輸入を禁止すると発表した。
香港の衛生当局によると、日本から輸入されたほうれん草や大根から、最大で安全基準の10倍の放射性ヨウ素131が検出されたという。香港で日本からの輸入食品の放射能数値の異常が確認されたのは初めて。
輸入禁止措置は、日本政府によって輸入食品の国際基準での安全性が証明されるまで行うとしている。
ロシア:日本で水、機内食の補給禁止 自国航空会社に指示
【モスクワ田中洋之】インタファクス通信によると、ロシア消費者保護監督庁のオニシェンコ長官は24日、日本に就航しているロシアの航空会社に対し、日本国内で水や機内食を補給しないよう指示した。同庁は23日、福島第1原発事故を受け、群馬、福島、千葉、茨城、長野、栃木の6県で生産された食品の輸入と流通も禁止していた。
日本に近いロシア極東では今のところ大気中の放射線量に異常はない。ただ、同長官によると、23日に極東ハバロフスク地方のワニノ港に到着した貨物船の機関室から通常の3倍のガンマ線が検出されたという。この船は木材を日本に運び、川崎港から福島沖を通ってロシアに戻った。
ロシア当局は日本との航路で結ばれている6空港と6港湾で放射線の検査体制を強化している。
毎日新聞 2011年3月24日 19時53分