2011年1月21日 01:09
古賀市議会の定例会本会議が20日開かれ、昨年11月の市長選告示前に登記を閉鎖していた株式会社の代表を名乗っていた問題で、竹下司津男市長は「私の不徳の致すところ。不注意でご迷惑をかけた。申し訳なく思っている」などと述べて議会において陳謝した。一般質問で答弁した。
竹下市長は告示直前に同名の会社を再び登記するまでの約3年間、登記がなかった事実を認めた上で「会社を継続していると認識していた。事務手続きは同僚に任せていた」と、故意ではないとの従来の主張を訴えた。
選挙目的で会社を再び作ったのではとの指摘には「そうではない」と述べ、会社が中国との取引を始めようとしていたなどと説明。竹下市長は「市民に不信感を持たせた部分はある。しっかり受け止め、約束したことを実現するためまい進したい」とも述べた。
また、経歴をめぐって新興宗教団体「摂理」に所属していたかどうか問われ、竹下市長は「8、9年前まで関わっていた」と述べた。摂理は3年前、設立者が女性信者に性的暴行を加えたとして韓国で逮捕され、日本国内でも社会問題化した。
取材に対して竹下市長は「摂理には大学時代に関わり、2002年に脱会した」と説明。「(設立者のことが)問題となり、関わりたくないと思ったため脱会した」と述べた。
=2011/01/21付 西日本新聞朝刊=
仰天!あの「SEX教団」元幹部が市長になった
(週刊朝日 2011年01月28日号配信掲載) 2011年1月19日(水)配信
「カルト出身の市長が誕生した。すごい時代になったものだ」
さる公安関係者がそう漏らした。昨年11月、福岡県古賀市の市長選で当選した竹下司津男氏(42)のことだ。
「当人は、もう教団とは関係ないと言っているようですが、わからない。ともあれ、一時期は教団のリーダー的な存在だったのは事実です」(同じ公安関係者)
カルト教団とは、「SEX教団」として知られる「摂理」である。1980年ごろに韓国で創設され、特異なキリスト教解釈をベースに勢力を拡大し、数年後には日本にも進出。東大、東京外大、早大など有名大学の学生を中心に信者を獲得したが、宗教団体であることを隠した悪質な信者勧誘や、脱会希望者への執拗な引き留め行為、さらには教祖のわいせつ行為などが社会問題化した。
教祖・鄭明析(チョンミョンソク)は08年、女性信者への強姦致傷などの容疑で韓国で逮捕され、懲役10年の刑が確定、服役中である。日本の女性信者が多数、性的被害にあったことも明らかになっている。
竹下氏は、その団体で牧師資格を取得し、東京本部で実質的代表を務める一方、教祖をまねるかのような行為にも手を染めていたとみられている。
教団の脱会者から数多くの相談を受けている渡辺博弁護士は次のように語る。
「教祖だけでなく、竹下氏に関する相談もずいぶん受けました。悪質な勧誘はもとより、脱会した人への嫌がらせや、さらに教祖から性的暴行を受けた信者に対し口封じの目的で脅迫メールを送りつけ、ノイローゼ状態にしたなどというひどいものもありました」
脱会した女性信者は、記者にこう語っていた。
「教えにかこつけて竹下さんからわいせつ行為を受けたことはショックでした」
つまり、竹下氏は「摂理」特有の加害行為を率先していたようなのである。
そうした人物が数年の時をへて、突如、郷里で公職に立候補しようとしていると聞き、渡辺弁護士は驚愕したという。そこで市長選前、竹下氏あてに、
「『摂理』での活動の経歴、現時点での関係、貴殿が認識する『摂理』の問題点について、社会に対し、きちんとした説明をするべきだと考えています」
と訴えかける質問書を送付した。ところが、竹下氏はこれを黙殺したばかりか、「摂理」のことを隠した上、おかしな経歴を掲げ選挙に臨み、当選してしまった。
市長選後、古賀市民らはおかしな経歴について、竹下氏が法人登記のない会社の代表であると虚偽の経歴を公表したとして、公職選挙法違反容疑で刑事告発し、マスコミも竹下氏に事情説明を求めた。しかし、市長として初登庁した12月24日の記者会見で竹下氏は、
「詳しいことは警察の事情聴取で説明したい」
とはねつけた。もちろん、渡辺弁護士にも返答はない。
「市長という公職についた今だからこそなお、『摂理』の経歴や問題点を明らかにすべきでしょう。説明責任がありますし、それこそが、現役信者にも脱会者にも有益なメッセージとなり、公益にかなうと思います」(渡辺弁護士)
本誌も説明を求めたが、竹下氏は、
「個人的なことなので回答できません」
と説明を拒否した。市長の経歴が「個人的なこと」とは……。これではだれも納得しまい。(時任兼作)