パチンコ台に大当たりする制御部品を取り付け出玉を盗んだとして、中国人を中心とする9人のグループが窃盗容疑などで埼玉県警に逮捕されていたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。長くて2時間程度、数万円稼ぐと別の店に移る手口で、被害に気づかない店も少なくなかったという。このグループによる被害は5年ほど前から確認されており、県警では、この1年間だけでも被害額は埼玉、大阪、広島など11都府県で1億5000万円に上るとみて調べている。
関係者によると、逮捕されたのは、中国籍の埼玉県蕨市塚越、無職劉大為容疑者(29)ら男9人で、東京都立川市のパチンコ店で昨年6月、大当たりの確率が高くなるよう改造した制御部品を台内部に取り付け、計約1万個(計4万数千円相当)の出玉を盗んだ疑い。
メンバーらは、1分以内で制御部品を接続する「取り付け役」、台周辺に立って取り付け作業を隠す「幕」、無関係を装って来店し、特殊な打ち方で玉を出す「打ち子」のほか、外の見張りや店内巡回役などに分かれ、店側の動きや捜査関係者らを警戒していたという。台の共通鍵を事前に不正入手するなどして準備していたとみられる。
(2011年1月12日 読売新聞)
窃盗・建造物侵入:パチンコを不正操作、ゴト師9人を容疑で逮捕 /埼玉
パチンコ台を不正に操作して出玉を盗んだとして、県警国際捜査課は11日、中国籍で蕨市塚越5、無職、劉大為容疑者(29)など中国人4人と日本人5人の計9人を窃盗と建造物侵入容疑で逮捕したと発表した。約2年前から、東京や埼玉など1都10県で、不正操作を繰り返していたとみて調べている。
逮捕容疑は昨年6月25日昼、営業中だった東京都立川市内のパチンコ店に侵入し、パチンコ台に不正基板を装着し、出玉約1万5340個(換金価格約4万6000円相当)を盗むなどしたとしている。数人が容疑を認め「生活に困ってやった」と供述しているという。
県警によると、不正基板は数センチ角で、特定の打ち方をすると大当たりの確率が高くなるという。発覚を防ぐために、出玉は1店舗で8万円程度に抑え、1日数店舗~20店舗で繰り返し、1日平均約40万円を得ていたという。【飼手勇介】
毎日新聞 2011年1月12日 地方版