2010.12.4 01:30
みずほ銀行元行員の不正融資事件で、詐欺容疑で逮捕された元同行築地支店課長代理の武田広人容疑者(35)が、同行からだまし取ったとされる融資金約5億円のうち、2億2500万円を融資先企業からリベートとして受け取っていたことが3日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、不正融資は武田容疑者の主導で繰り返し行われ、武田容疑者が他にも融資先から多額のリベートを受け取っていた疑いがあるとみて調べている。
武田容疑者らは、売上高約1千万円の宮田誠容疑者(66)のコンサルタント会社について、60億~72億円の売り上げがあるように装った決算書を偽造し、同行から約5億円をだまし取ったとして特捜部に逮捕された。
関係者によると、武田容疑者は知り合いだった宮田容疑者に融資を受けるよう要請。税理士の吉野道明容疑者(48)と協力して、決算書のほか、高額の法人税などを納付したように装った税務申告書も偽造していたという。
また、武田容疑者らは融資金5億円のうち5千万円を同行に預け、利息分の支払いに充てていた。残り4億5千万円のうち半分の2億2500万円が、宮田容疑者から武田容疑者にリベートとして渡っていたという。大半が個人的用途に使われていた。
武田容疑者は吉野容疑者の経営する会社についても売り上げを水増しした決算書を作成し、数億円を融資させていたといい、特捜部は不正融資の疑いがあるとみている。