タンク底のボルト緩む 福島第1原発で5カ所、汚染水漏れ原因か
2013.9.20 21:11東京電力福島第1原発の地上タンクから推定300トンの汚染水が漏洩(ろうえい)した問題で、東電は20日、解体したタンクを調査したところ、底部で鋼板をつなぎ合わせた5カ所でボルトの緩みが見つかったと発表した。これまで、タンクの側面からは水漏れが疑われる痕跡は見つかっておらず、底部のボルトの緩みが漏洩の原因となった可能性が高まった。
問題のタンクは「フランジ式」と呼ばれ、鋼板をボルトで締めてつなぎ合わせた構造。東電によると、5カ所のボルトは手で触れるとぐらつきが分かる緩み具合で、タンク東側に集中していた。底部は5枚の鋼板が約300本のボルトでつなぎ合わされており、今回緩みがあったのはそのうち2枚をつなぎ合わせた部分だった。
このほか、つなぎ目からの水漏れを防ぐための止水材も8カ所で、剥がれるなどの劣化が見つかった。タンクからは8月に推定300トンの汚染水が漏れ、東電が原因を特定するため、今月17日から分解して調査していた。東電は「ボルトの緩みが漏洩の原因となった可能性があり、ボルトの状態を詳細に分析して特定していく」としている。
2013年09月20日23時13分
タンク底のボルト緩む 隙間から汚染水漏れか 福島第一
東京電力福島第一原発のタンクから300トンの汚染水が漏れた事故で、東電は20日、底板をつなぎとめるボルト5本に緩みを確認したと発表した。東電はここから漏れた可能性があるとみて、原因を調べる。
東電は問題のタンクを解体し、内部を調べている。底板のボルトの緩みはタンク東端に集中していた。ボルトを締め付けることで、漏れを防ぐゴム製のパッキンを固定して鋼板のつなぎ目の隙間を埋める仕組みになっている。
ボルトが緩むと隙間ができることから、東電原子力・立地本部の尾野昌之本部長代理は「ここから漏れた可能性が高いが、さらに調査を進める」という。
つなぎ目の隙間を埋めるシーリング材が8カ所で膨らんでいた。パッキンが飛び出している箇所も複数あった。このタンクは解体して移設しており、その影響がないか調べる。
また、このタンク脇でボーリング調査を実施し、掘った土の放射線量を調べた。地下30センチの部分で最大で毎時1・7ミリシーベルトのベータ線が測定された。地表はコンクリートで覆われているが、一部がひび割れるなどして汚染水が土壌に染み込んでいる可能性があり、タンクを解体した後に調べる。(須藤大輔)