ページ

2013/07/07

【訃報】47氏急逝

Winny作者の金子勇氏が死去、急性心筋梗塞で 


2013/07/07



 ファイル共有ソフトWinnyの作者で、東京大学情報基盤センター特任講師の金子勇氏が、2013年7月6日午後6時55分、急性心筋梗塞で死去した。Winny事件の弁護士を務めた壇俊光氏が7月7日、ブログで明らかにした。

 金子氏は 東京大学大学院の助手を務めていた2004年、著作権法違反幇助の疑いにより京都府警察に逮捕され(関連記事)、2006年に京都地方裁判所で有罪判決を受けた(関連記事)。2009年、大阪高裁で逆転無罪判決を勝ち取り、2011年に最高裁が検察側の上告を棄却。無罪が確定していた(関連記事)。

 現在はSkeedファウンダー兼CINO、東京大学情報基盤センター特任講師を務めていた。







「金子勇さんの遺志が健全に羽ばたける世に」、慶応大環境情報学部長 村井純氏が追悼の言葉 


2013/07/07

 Winny作者でP2Pソフトウエア開発に貢献したプログラマー 金子勇氏の急逝(関連記事)にあたり、WIDEプロジェクトのファウンダーであり慶応義塾大学環境情報学部長・教授である村井純氏より追悼の言葉を寄稿いただいた。以下、全文を掲載する。


--------------------------------------------------------------------------------

 金子勇さんはソフトウェア開発者として極めて貴重なパイオニアでありヒーローでもありました。

 途中困難がありましたが、その困難は多くの新たな支持者と友人をもたらし、新たな夢の実現に向けて活動していたと聞いていて、期待を持ってその成果を待っていました。

 そのような環境を構築された平木先生、稲葉先生、壇先生、など関係者の方々に心より敬意を表します。

 さて、私たちとしては金子勇さんの残された技術と背景となっていた精神と勇気を理解し、発展させ伝えていくことが使命です。

 また、金子勇さんが受け止めた困難の社会的要因を追求し、金子勇さんのスピリットが健全に羽ばたける世に治すことは、金子勇さんとのお別れに際し私たちの硬い約束とさせていただきたいと思います。

 金子勇さんの光は私たちの心にいつまでも宿ります。

 心より御冥福を御祈り致します。


村井純
WIDEプロジェクトファウンダー
慶応義塾大学環境情報学部長・教授





訃報:金子勇さん42歳=ウィニー開発、裁判で無罪


毎日新聞 2013年07月07日 20時51分(最終更新 07月07日 20時59分)

 パソコンのファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発した元東京大助手でプログラマーの金子勇(かねこ・いさむ)さんが6日、急性心筋梗塞(こうそく)のため死去した。42歳。ウィニーを開発・公開し、インターネット上で映画などの違法コピーを助けたとして、2004年に京都府警に著作権法違反ほう助容疑で逮捕された。同罪に問われた裁判では1審・京都地裁で罰金150万円の有罪判決を言い渡されたが、2審・大阪高裁で逆転無罪判決。11年12月の最高裁決定で「ほう助の故意はなかった」などとして無罪が確定した。

 ソフト提供行為の刑事事件化は、プログラマーなどから「ソフト開発に萎縮効果をもたらす」などと批判もされたが、最高裁決定でも裁判官5人のうち1人が「ほう助犯が成立する」と反対意見を述べるなど、議論を呼んだ。










Winnyうぃにー(コンピュータ)

P2P形式のファイル共有ソフト。開発者は元東京大学大学院情報理工学系研究科助手の金子勇。

2002年5月6日にベータリリースされた。不特定多数のPCユーザー間で音楽や映像のファイルを共有できる。共有されるファイルは、サーバーを介さずに無数のパソコンを介して転送されるため、送信元の匿名性があるのが特徴。

WinnyはWinMXやFreenetなどを参考にして新規に作られたファイル共有ソフトで、2ちゃんねるのダウンロード板上で開発が行われていた。作者はその最初(本当は2番目)のレス番号から「47氏」と呼ばれる。高速性と匿名性の両立を目指して開発された。匿名BBSを実現するP2Pサーバントとしても動作する。WinnyアンテナとWinnyアンテナ@WinMXアンテナがある。

違法性を巡って、開発者である金子が2004年に著作権侵害行為ほう助の容疑で逮捕された。ファイル交換ソフトの開発者が逮捕されるのは世界的にも稀で、動向に注目が集まっていたが、2011年に無罪が確定した。


Winny公開後の動き(違法性を巡って、無罪が確定するまで)


•2003/11/27
 初の逮捕者が2名。「47氏」も家宅捜索を受ける。公式サイトは閉鎖。

•2004/05/10
 Winnyの開発者である「47氏」も逮捕される。同年5月31日、「47氏」は京都地方検察庁によって起訴される。

•2004/06/01
 保釈請求が1日、京都地裁に認められた。京都地検はこれに準抗告したが棄却された。保釈金500万円を納め、47氏は同日夜に保釈されている。なお保釈金は、有志からの寄付(義援金)が使われた模様。

•2004/09/01<
 第1回公判が京都地裁で開かれる。

•2006/12/13
 京都地裁が著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪で罰金150万円(求刑・懲役1年)の有罪判決を言い渡す。弁護側・検察側の双方が控訴。

•2009/1/19
 控訴審第1回公判(大阪高等裁判所)で弁護側は改めて無罪を主張。

•2009/10/8
 大阪高裁判決にて逆転無罪。「Winnyは価値中立的」と小倉正三裁判長がほう助罪を否定。

•2011/12/19
 最高裁にて「多数の者が著作権侵害に利用する可能性が高いと認識していたとはいえない」として検察側上告を棄却。ほう助罪成立を認めず、無罪が確定した。 ◦判例全文:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111221102925.pdf(PDF)



その他のトピック

•「Winny」という名前は、「WinMX」の次を目指すという意味を込めて、「MX」のアルファベットを1文字ずつ進めた「WinNY」に由来
•情報漏洩とセットで報道されることが多い。官房長官が「最も確実な対策はパソコンでウィニーを使わないこと」と発言したことでも有名
•現在は他人が修正パッチを当てたバージョンである「Winnyp」が流通している模様





MXの次はなんなんだ?

http://tmp.2ch.net/test/read.cgi/download/1017590243/


http://www.geocities.jp/aspara_z/1017590243.html