大津波、宮城県女川町沖で43Mか 「笠貝島全体が津波をかぶったようにも見えた」
女川沖の島で津波43メートル 震災で最大の遡上高か
宮城県女川町沖の無人島・笠貝島で、東日本大震災の津波の遡上(そじょう)高(陸地の斜面を駆け上がった高さ)が約43メートルに達したとみられることが16日、東京大地震研究所の都司嘉宣准教授の調査で分かった。
東日本大震災の津波遡上高ではこれまで、土木学会の特別委員会が宮古市で国内観測史上最大の39.7メートルに達したとの調査結果をまとめている。都司准教授は「笠貝島の津波は大震災で最大だった可能性がある」としている。
都司准教授によると、島は周辺の海の浅い部分から津波のエネルギーが集中し、津波が高くなりやすい。同種の現象は岬などでも起きるとみられ、安政東海地震(1854年)では、志摩半島で周辺の津波が5~10メートル程度なのに局地的に20メートルを超えた所があった。
都司准教授は、笠貝島で松などの樹木が倒され津波が到達したとみられる痕跡を確認。島に上陸できなかったが、近くの島から望遠レンズで撮影し分析した。
笠貝島に置かれた標高31.9メートルの三角点との比較では、津波痕跡は43.3メートルに達していた。ただ写真を基にした推定であり、上陸して測定していないため、1メートル前後の誤差はありうるという。
女川町教育委員会によると、笠貝島に近い江島の住民からは「笠貝島全体が津波をかぶったようにも見えた」との証言も寄せられた。
2012年03月17日土曜日
宮城沖の島で遡上高43メートルか 震災津波で最大の可能性
2012.3.16 19:26 [津波]
宮城県女川町沖の無人島・笠貝島で、東日本大震災の津波の遡上高(陸地の斜面を駆け上がった高さ)が約43メートルに達したとみられることが16日、東京大地震研究所の都司嘉宣准教授の調査で分かった。
東日本大震災の津波遡上高ではこれまで、土木学会の特別委員会が岩手県宮古市で国内観測史上最大の39・7メートルに達したとの調査結果をまとめている。都司准教授は「笠貝島の津波は大震災で最大だった可能性がある」としている。
都司准教授は、笠貝島で松などの樹木が倒され津波が到達したとみられる痕跡を確認。島に上陸できなかったが、近くの島から望遠レンズで撮影し分析した。
笠貝島に置かれた標高31・9メートルの三角点との比較では、津波痕跡は43・3メートルに達していた。ただ写真を基にした推定であり、上陸して測定していないため、1メートル前後の誤差はありうるという
震災津波、高さ43メートルまで到達か 女川沖の島
2012年3月17日15時20分
東日本大震災の大津波が宮城県女川町沖の無人島で43メートルの高さまで駆け上った可能性があることが、東京大地震研究所の都司嘉宣准教授の指摘でわかった。
1月に女川町の約15キロ東の沖合にある笠貝島を撮影。津波で植生がはがれた場所や塩害で枯れたとみられる木がある高さを、31.9メートルの三角点の位置と比較、津波が43.3メートルの高さまで遡上(そじょう)したと推計した。周囲に浅い海域が広がっていると津波は島に集中する性質があり、この効果で高くなったとみている。
東日本大震災では、研究者らの合同調査グループが、岩手県大船渡市での40メートルの遡上(そじょう)高を最高記録として報告している。