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2012/03/10

小沢元代表に禁錮3年求刑

'12/3/10
小沢元代表に禁錮3年求刑 陸山会事件、検察官役「共謀は明らか」

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表小沢一郎被告(69)の第15回公判が9日、東京地裁(大善文男だいぜん・ふみお裁判長)であり、検察官役の指定弁護士は「元秘書との共謀は明らか。刑事責任回避のために不合理な否認を繰り返し、反省の情は全くない」として禁錮3年を求刑した。


 指定弁護士は論告で、収支報告書の虚偽記入成立に疑いはないとした上で「元秘書の独断は考えられず、元代表の指示、了解の下で確定的故意に基づいて実行した」と強調。会計責任者の指導監督もせず、単純な虚偽記入は修正すれば足りるとした元代表を「法を軽視し、規範意識が著しく鈍っていると言わざるを得ない」と批判した。

 元代表との間の「報告・了承」を認めた石川知裕いしかわ・ともひろ衆院議員(38)=一審有罪、控訴=の検察官調書は「取り調べで強力な利益誘導や圧力があった」と全て証拠採用されず、指定弁護士は客観的事実を積み重ね、池田光智いけだ・みつとも元私設秘書(34)=同=の調書や法廷証言も併せて有罪論を組み立てた。

 元代表は土地購入費として4億円を提供したのに、同額の銀行融資を受けるための書類に署名した。指定弁護士は「コピー用紙の裏面も使用するように指導していた元代表が、年間約450万円の利息を負担してまで、無用な融資を許す余地はない」と指摘。署名時にも説明を受けていないとの弁解は不合理で「4億円を隠すための書類を自ら作成した」と述べた。

 週刊誌の取材で4億円提供を隠蔽するように池田元秘書に指示して虚偽の回答をさせたことや、4億円の存在を元秘書にも隠して手元に置いていたことなども挙げ「巨額の資金保有の事実が明らかになることを避けようとした」とした。

 融資や土地登記の先送りを「4億円を隠蔽するための偽装工作」とし「周到な準備と巧妙な工作を伴った計画的な犯行」と非難。元代表は土地購入に強い関心を持っており、購入経過について「一切報告を受けていない」との供述は「極めて不自然で、到底信用できない虚言」と断じた。

 ボディーガードの拳銃所持で暴力団組長の共謀を認めた最高裁決定にも言及し、「元秘書を指揮命令する立場の元代表が刑事責任を負うべきことは明らかだ」と述べた。

 弁護側は、検察審査会に提出された東京地検特捜部の虚偽の捜査報告書が審査員の判断を誤らせたと公訴棄却を求めているが、指定弁護士は「審査に違法はなく、起訴議決は有効」と反論した。

 公判は、19日の最終弁論で弁護側があらためて全面無罪を主張し結審。判決は4月26日で調整されている。







独自 内部文書を入手 起訴できなかった理由とは
3月9日
民主党・小沢一郎元代表の裁判が佳境を迎えています。検察官役の指定弁護士は小沢元代表に禁錮3年を求刑しました。
小沢元代表をめぐっては、東京地検特捜部がおととし、嫌疑不十分で不起訴処分に。しかしその後、一般市民で構成される検察審査会の判断を受け強制起訴されています。
検察はなぜ、小沢元代表の起訴に踏み切れなかったのか。テレビ東京が独自に入手した内部文書で、その理由が明らかになりました。


資金管理団体、陸山会が購入した土地を巡り、元秘書と共謀し収支報告書に嘘の記載したとして強制起訴された小沢被告。
今日の論告で検察官役の指定弁護士こう切り出した。
一連の隠ぺい工作は、全て小沢被告の支持と了解のもとに実行されたものである。

小沢被告との共謀を認めた元秘書の供述調書は先月却下され、立証の柱を失った指定弁護士側。
それでも論告では、被告人が秘書とほぼ毎日打ち合わせをしていたなどの客観的状況に触れ、秘書の一存で嘘の記載をすることはあり得ないと結論付けた。そして、

検察官役指定弁護士
「小沢被告の規範意識が鈍っていることは明らかであり、再犯の恐れは大きい」「禁固3年に処するのが相当である」

佳境を迎えた裁判。しかしこの事件、もともとは検察が起訴をあきらめた案件だった。
これは、テレビ東京が独自に入手した東京地検の内部文書。
不起訴裁定書。小沢元代表を不起訴にした際につくられたものだ。

「小沢は範囲と共謀を頑強に否認した。しかし有志の書類には小沢のサインがあり、弁解はにわかには信じがたい。」

文書では小沢元代表への事情聴取についてこのように指摘。それでも秘書らの供述が曖昧で具体性に欠けることや、小沢元代表が犯罪を実行する意思を持って有志書類にサインしていたとはいえないことなどをあげ、こう結論付けた。

「最大限の捜査をしたが、共謀を認めるに足りる証拠があるとは言い難く、嫌疑不十分。」

この文書が作成された当時、検察幹部は、こう話していた。

「今の証拠で起訴しても、5,6割の可能性で有罪にできるよ。でも民主党政権もできたばかりで、そういうときに泥仕合みたいな裁判をやるのはお互いにとって良くない。」

大人の撤退として起訴を見送った検察の判断。
しかしその後、国民の判断によって、強制起訴された小沢元代表。
判決は来月下旬にも言い渡される。