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2012/03/21

米、イラン制裁から日欧11か国を適用除外

イラン制裁、日欧は対象外=原油輸入削減を評価-米

 【ワシントン時事】クリントン米国務長官は20日、昨年末に成立したイラン制裁法に基づく制裁対象から、日本と欧州連合(EU)諸国の一部の計11カ国を除外すると発表した。核開発を続けるイランへの国際圧力に協力し、同国からの原油輸入を大幅に削減していると判断した。これにより、イラン中央銀行との取引を理由に邦銀が米国での活動を制限される事態は回避された。

 制裁除外となったのは、日本に加え、英、独、仏、イタリア、スペイン、ギリシャ、オランダ、ベルギー、ポーランド、チェコの計11カ国。国務省は「制裁除外の第一弾のグループ」としており、今後の協議でさらなる追加もありそうだ。(2012/03/21-06:59)
 
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012032100033




米 日本はイラン制裁の適用除外
3月21日 5時32分
アメリカ政府は、イランからの原油の輸入を大幅に削減しているとして、日本をイランの中央銀行と取り引きを続ける外国の金融機関に制裁を科す法律の対象から除外すると発表しました。

アメリカでは、去年末、イランの中央銀行と取り引きを続ける外国の金融機関に対して、アメリカの金融機関との取り引きを禁じる制裁を科すことで、事実上、各国がイラン産の原油を輸入できなくすることを目指した法律を成立させました。これに対して、日本は、原油の10%近くをイランから輸入しており、制裁の対象から除外するよう求めてきました。

クリントン国務長官は、20日、声明を発表し、イランからの原油の輸入を大幅に削減しているとして、日本やフランス、ドイツなど合わせて11か国を制裁の対象から除外すると発表しました。日本を制裁対象から除外したことについて、アメリカ政府高官は電話会見で、「日本は東京電力福島第一原子力発電所の事故があったにもかかわらず、去年の下半期にはイランからの原油の輸入を15%から22%程度減らしており、法律の趣旨を十分に理解したうえで協力している」と述べました。

ただ、アメリカ政府は、制裁の対象については180日ごとに見直すことができるとしており、各国が継続的にイランからの原油の輸入を削減するか、監視は続けるとしています。


日本の対応は
日本にとってイランは、原油輸入量の10%近くを占める重要な調達先ですが、日本の石油元売り各社は、今回のアメリカの制裁措置を回避するため、イランからの原油輸入の削減をすでに決めています。

このうち、コスモ石油は、ことし1月に更新時期を迎えたイランとの契約で調達量を大幅に減らしたほか、JX日鉱日石エネルギーは、4月に更新時期を迎える契約を更新しないことにしています。また、イランからの輸入を削減する分については、サウジアラビアやUAE=アラブ首長国連邦などほかの産油国からの調達を増やして補うことにしています。

一方、アメリカなどの制裁でイラン情勢を巡る緊張が一段と高まれば、中東地域全体にも影響し、世界的な原油価格の高騰や供給不足を引き起こすおそれもあります。

こうした事態に備え、日本政府は、国内での原油や石油製品の消費量のおよそ半年分を備蓄しており、状況に応じて順次、放出することで市場の動揺を抑えることにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120321/t10013856201000.html