手配容疑者出国させる 東京入管、羽田でミス
東京入国管理局は19日、警視庁が逮捕状を取り国外逃亡しないよう手配していた中国籍の男(31)を、羽田空港の出国審査で係官が気付かず、出国させていたことを明らかにした。男は再入国し、既に逮捕された。
東京入管によると、警視庁が入管難民法違反(資格外活動ほう助)の疑いで男の逮捕状を取り、警察庁を通じて入管に手配。旅券などから審査時に手配の有無が分かるようになっていたが、係官が見落としていた。
男は1月28日に出国。2月5日に再入国した。
2010年以降、同様に手配されていた7人が出国審査をすり抜けたことが判明している。
東京入管:容疑者出国、見逃す システム機能せず
東京入国管理局は19日、中国人グループの偽装滞在事件に関与したとして、警視庁から出国防止要請を受けていた中国籍の男を見落として出国させていたと発表した。法務省は昨年10月、見落としが相次いでいるとして、容疑者が出国しようとすると手続きが自動停止するシステム改修を行ったと発表したばかりだった。
同局によると、警視庁は今年1月27日、虚偽の証明書類を作成して中国人男女3人の不法な滞在を助けた容疑で逮捕状を取った中国籍の黄〓〓容疑者(31)を出国させないよう入管側に要請。しかし、黄容疑者は翌日、入管手続きを経て羽田空港から出国していた。
同局は、見落としの原因について「警視庁からの情報などに基づいた入力情報と、容疑者が提示したパスポートの内容が完全に一致せず、手続きが自動停止しなかった」などと説明している。【伊藤一郎】
毎日新聞 2012年3月20日 東京朝刊
容疑者が出国 入管職員のミスか
3月19日 13時34分
警視庁が容疑者として手配していた中国人の男が、羽田空港の出国手続きの審査をすり抜けて出国していたことが分かり、審査をした東京入国管理局は、職員が見落とした可能性が高いとみて調べています。
東京入国管理局によりますと、ことし1月、出入国管理法違反事件に関わったとして、警視庁が全国の空港や港に手配していた31歳の中国人の男が羽田空港の国際線ターミナルから出国審査をすり抜けて出国していたということです。
警察から手配された容疑者の情報は、入国管理局に通報され、出国手続きの審査の際、パスポートを機械で読み取れば、手配中であることが表示される仕組みになっています。
入国管理局は、出国審査を担当した職員が機械の操作を誤って見落とした可能性が高いとみて調べています。
その後、この中国人の男は、羽田空港から再び入国しようとしたところを警視庁に逮捕され、今月、出入国管理法違反のほう助の罪で起訴されました。
東京入国管理局は「出国を見落としたことは誠に遺憾です。職員の研修などを行って再発防止に努めます」と話しています。