2011年6月22日14時25分
東京電力は22日、福島第一原子力発電所2号機の原子炉建屋地下の写真を公開した。作業員が地下まで入ったのは初めて。機器のさびが付着したとみられる赤茶色の汚染水がたまり、周囲の放射線量が毎時430ミリシーベルトと高かった。
復旧作業ができるかどうかの確認のため、作業員10人が21日午後、2号機原子炉建屋の地下の途中まで入った。汚染水の水位は地下の床から6.1メートルで、地上までほぼ半分の高さ。事故直後にメルトダウンした核燃料によって原子炉圧力容器や格納容器が破損し、たまり水が汚染されているとみられる。
東電は22日、作業員が原子炉建屋に入り、原子炉圧力容器の水位を測るために圧力計を設置する。
【原発】2号機地下に赤茶色に濁った大量の汚染水(06/22 16:47)
作業員が初めて下りた2号機の地下には、赤茶色の汚染水が大量にたまっていました。
21日に撮影した2号機原子炉建屋内では、地下への階段の途中まで赤茶色に濁った水が上がってきています。深さは6メートル以上、表面は毎時430ミリシーベルトと作業員の被ばく限度の250ミリを30分あまりで超える高い線量です。原子炉から漏れた高濃度汚染水に配管のさびなどが混じったとみられます。福島第一原発では、汚染水浄化システムの本格運転が遅れるなか、汚染水の増加を抑えるため原子炉への注水量を減らしたところ、3号機で炉心の温度が上がり始めました。東京電力は、原子炉の冷却と汚染水抑制の両立という難しい課題を抱えています。
2号機たまり水 汚染水の可能性
東京電力は22日、福島第1原発2号機の原子炉建屋地下に、深さ約6・1メートルの水がたまっていると発表した。21日午後に建屋内に入った作業員らが確認した。建屋の北西にある階段下では毎時430ミリシーベルトの放射線量が計測されており、東電は「原子炉損傷の影響を受けた汚染水の可能性がある」としている。
東電はまた、22日も同建屋に作業員12人を入れ、原子炉圧力容器の水位を正確に測る目的で、もともと設置されている水位計に圧力計などの計器類を取り付けた。
原子炉建屋地下のたまり水は1、3、4号機でも問題になっており、1号機では通常の原子炉内の水に比べ約1万倍の濃度の放射性物質が検出されている。東電は汚染水を浄化して原子炉の冷却に再利用する「循環注水冷却」の実施を目指して準備を進めている。
圧力容器の水位計は事故発生後、信頼できるデータを取得できない状態が続いていた。作業員らは、建屋1階で計器類を取り付けた上、建屋の外から計測値を確認できるよう監視カメラも設置した。作業時間は45分間で、被ばく線量は1・38~4・58ミリシーベルトだった。
1号機では5月、水位計を調整した結果、燃料が溶け落ちていることが判明。2、3号機でも正確な計測に向けた調整を検討していた。