2011.6.17 22:14
6億円強奪事件で新たに逮捕された3人は、それぞれ別の暴力団周辺者や自称組員で、犯人グループは複数の暴力団関係者の“混成団”だった可能性が高まっている。ただ、奪われた6億円の大半はいまだ見つかっていないなど、事件には多くの謎が残されたままだ。
立川署捜査本部によると、蓑田哲郎容疑者は指定暴力団住吉会系組の周辺者。亀治中博之、伊藤彩人の両容疑者はそれぞれ、山口系の別の組にいたと自称している。
関係するとみられる暴力団がバラバラの3人と、先に逮捕された実行犯とみられる渡辺豊容疑者らが、協力するようになった理由を解明できるか。今後、事件捜査の大きな焦点となりそうだ。
接点の1つは、蓑田容疑者が経営する中古車販売会社「和光商事」だ。亀治中容疑者は同社の手伝いをしており、自動車修理工だった渡辺容疑者も事件前後に同社周辺に現れていた。逃亡に使った渡辺容疑者の車も、同社の仲介で購入されていた。
しかし、詳しい動機など不明な点は多い。渡辺容疑者の誘いで仲間に加わったとみられる植木秀明容疑者は、蓑田容疑者ら3人と面識すらなかった疑いが強く、伊藤容疑者とほかの4人との関係もはっきりしない。
犯行の手口からは、犯人グループが警備会社の事情に通じていた様子がうかがえるが、その理由も不明だ。ほかにも暴力団関係者数人が関与した疑いがあり、グループと警備会社との“接点”について、捜査の行方が注目される。
奪われた約6億円については、渡辺容疑者が逮捕時に所持していた約500万円を強奪品と認めているだけ。グループがバラバラに分散して持ち去り、隠した可能性もあり、警視庁で慎重に捜査を続ける。