東京電力は12日、福島第1原発の取水口付近の海水から、最高で法令の濃度限度の240倍の放射性ストロンチウムを検出したと発表した。1、2号機付近の地下水からも検出され、いずれも今回の事故の影響と考えられるとしている。
経済産業省原子力安全・保安院によると、ストロンチウムは第1原発の放水口付近や沖合などで、濃度限度以下が検出されたことはあったが、地下水からは初めて。
東電によると、検出されたのは1~4号機の取水口付近と、放射性物質の拡散防止のため2、3号機の取水口近くに設置した「シルトフェンス」内側の計3カ所で、5月16日に採取した海水。
2011/06/12 21:37 【共同通信】
放射性ストロンチウム 地下水から検出
2011年6月13日 夕刊
福島第一原発の事故で東京電力は十二日、1、2号機周辺の地下水から内部被ばくの被害が心配される放射性ストロンチウムを検出したと発表した。これまで施設内外の土壌からは見つかっていた。地下水からは初めて。
地下水は五月十八日に採取した。濃度は2号機が高く、ストロンチウム90は一ミリリットル当たり六・三ベクレル(一リットル当たり六三〇〇ベクレル)、同89が同一九ベクレル(同一九〇〇〇ベクレル)。1号機は微量だった。
東電は「事故で放出されたストロンチウムが雨水によって地下水へ流れ込んだ」と説明。建屋地下にたまった高濃度の放射性物質を含む汚染水からは漏出していないとしている。
一方、四月と五月に高濃度汚染水が流れ込んだ原発近くの海の三カ所で五月十六日に採取した海水からは、法令で定める濃度限度を超えるストロンチウムが検出された。
最高値は3号機取水口前に設置した拡散防止用のスクリーン内で、同90が一リットル当たり七三〇〇ベクレルと法令で定める濃度限度の二百四十倍。同89が二四〇〇〇ベクレルで、濃度限度の八十倍だった。
東電は十三日午前、海水を浄化するシステムを同日から本格稼働させると発表した。