2011年5月11日 15:14
今月に入って福島第一原子力発電所3号機の原子炉圧力容器の温度が上がっているため、「東京電力」は注水を確実に行うための作業を急いでいる。
3号機をめぐっては、燃料プールの中でも確認された放射線量の高いがれきが建屋の中や外に多く残っていて作業員が近づけないため、東京電力はロボットを投入して建屋周辺のがれきを撤去する作業を続けている。
大規模な水素爆発を起こした3号機では、今月に入って圧力容器の温度が上昇している。11日午前5時現在、容器上部の給水ノズル付近の温度は215.3℃と、1号機より100℃高くなっている。
このため、東京電力は注水作業を確実に行おうと、現在使っている配管より安定して水を入れられる「給水系」と呼ばれる配管に切り替える準備作業を急いでいる。
3号機の圧力容器温度が大幅上昇 底に燃料落下?
2011.5.8 19:51
福島第1原発3号機で、燃料を入れた原子炉圧力容器の温度が大幅な上昇傾向を示し、8日には容器上部で206度に達した。
東京電力は、差し迫った危険はないとの見方だが「燃料が崩れて(圧力容器の)底に落ちた可能性も否定できない」として、温度の監視を強め原因を分析している。
4月末、圧力容器上部の温度は80度台で推移。多少の上下はあるが比較的安定していた。
5月に入り上昇傾向が顕著になったため、東電は4日、圧力容器への注水量を毎時7トンから9トンに増やした。しかし上昇は収まらず、5日朝には144度に。さらに7日夜には202度に跳ね上がり、その後も“高止まり”の状況だ。圧力容器下部の温度も上昇傾向を示している。
東電は既に、3号機の燃料は約30%損傷したとの推定を示しているが、ここにきて燃料が圧力容器の底に落下したとすれば、過熱が進み、溶融が再度起きた可能性がある。
3号機の温度上昇、燃料溶融が原因か
福島第一原発の事故です。3号機では原子炉の温度が上がっていますが、冷却のための水が配管の損傷のために十分に入っていないことや、燃料の一部が溶け落ち、そこから出た熱が原因として考えられることが政府関係者への取材でわかりました。
3号機の原子炉圧力容器の温度は8日午前5時に151.9度と上昇傾向は落ち着きつつありますが、1週間前に比べると40度近く上がっています。
政府関係者によりますと、温度上昇の原因については、原子炉に送る水の配管が一部で損傷しているために十分に水が行き届いていないこと、さらには、燃料棒が溶けて一部が下に落ち、熱を発している可能性が考えられるということです。
原子炉への注水について東京電力は、今週末にも、現在使っている配管から別の系統の配管に切り替える予定です。
一方、1号機では8日午後8時に原子炉建屋の扉が開放されることになりました。この際、微量の放射性物質が外に放出されることになりますが、「排風機」により濃度が下がっていることから、原子力安全・保安院は周辺の環境への影響について「支障はない」と判断し、許可しました。
扉が開き、原子炉建屋の内部で人が作業できるようになれば、1号機については、安定的な冷却に向け前進できることになります。(08日16:56)