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2011/05/12

破損した燃料は、さらに圧力容器の外側の格納容器に漏れ出ている可能性があります

【原発】燃料棒すべて露出 水位計直したら判明(05/12 18:47)







 福島第一原発1号機で、原子炉の計器が正しく動くよう直したところ、燃料棒がすべてむき出しになるほど水位が下がっていたことが分かりました。

 1号機の圧力容器には燃料棒を冷やすために水を入れ続けていますが、圧力容器が損傷し、そこから水が漏れた可能性があります。実際は燃料棒がすべてむき出しになるほど水位が下がっていましたが、計器を直す前は、燃料棒は半分以上水につかっているというデータが示されていました。東京電力は、圧力容器の温度が安定していることから、破損した燃料が圧力容器の下に溶け落ち、底にたまっている水でかろうじて冷やされているとみています。破損した燃料は、さらに圧力容器の外側の格納容器に漏れ出ている可能性があります。
 一方、2号機、3号機の燃料棒は現在、半分以上水につかっていることになっていますが、今回の1号機のように、計器を正しく直すと違った事実が明らかになる可能性があります。








福島第1原発1号機で核燃料3m以上露出記事を印刷する

 東京電力は12日、福島第1原発1号機で、調整をした水位計で原子炉圧力容器内の水位を測定したところ、長さ4メートルの燃料のうち3メートル以上が水に漬からず露出している可能性があることが分かったと明らかにした。

 調整前の測定では、約1・5~1・7メートルが露出している状態とされていたため、想定外の低水位。ただ圧力容器の表面温度は、上部から下部まで100~120度と比較的低く、東電は「(燃料の)冷却はできている」としている。

 東電は燃料を冷やすために圧力容器内に毎時6~8トンの注水を続けていたが、対策が的確でなかったおそれがある。1号機は新たな冷却システムの設置を準備しているが、いまだに圧力容器内の状態を把握しきれていないことで、今後の計画にも影響しそうだ。

 東電は燃料の状態について明言を避けている。これまでは炉心の損傷割合を55%と推定していた。関係者によると、燃料から出る崩壊熱という余熱が小さくなっているか、燃料が相当程度崩れ落ち、結果的に圧力容器下部で水に漬かって冷やされている可能性が考えられるという。

 東電は原子炉建屋内に作業員を入れ、大まかに水位変化が分かる程度だった水位計を調整した上で測定し直した。その結果、通常時の燃料上端から3メートル下の測定下限まで水があることが確認できなかった。水位計に異常は見つかっていない。

 東電は、1号機の原子炉格納容器を水で満たし、燃料の入った圧力容器ごと冷やす「冠水」に向けた作業を続けているが、格納容器の水位も不明という。

 一方、東電は、温度が高い3号機の圧力容器に確実に水を入れるため、これまでの注水経路を切り替える作業を継続。新たな経路に水漏れがないか、確認を進める。(共同)

 [2011年5月12日11時37分]