【バンコク=若山樹一郎】クリスティアナ・フィゲレス国連気候変動枠組み条約事務局長は4日、バンコクで記者会見し、環境省の南川秀樹次官が3日、福島第一原発事故の影響により、「温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比25%削減する」とした日本政府の目標の見直しに言及したことに関し、「目標は維持できると考える。さらに野心的な数値目標を期待している」と述べ、見直しに反対する姿勢を示した。
フィゲレス事務局長は「日本政府から(見直すとの)情報は得ていない」と述べ、「日本政府は災害を乗り切ったうえで、(新たな)エネルギー基盤構築に向けて前進すべきだ」と強調した。
地球温暖化対策を協議する国連の作業部会に出席した南川次官は、3日に行われた日本メディアとの記者会見で「見直し」に言及。会議出席者によると、作業部会では、日本側から見直しに関する説明は行われていないため、各国からの反応などはまだないという。
(2011年4月4日21時27分 読売新聞)
原発事故で日本の排出削減目標修正は「時期尚早」=国連
2011年04月05日
【新華社バンコク4月4日=朱麗】 国連気候変動枠組み条約のフィゲレス事務局長は4日、タイのバンコクで記者会見し、日本が福島第1原発の放射能漏れ事故の影響を考慮して排出目標を修正することは時期尚早だとの見解を示した。
日本は2010年、温室効果ガスの排出量を20年までに90年比で25%削減するとの目標を掲げた。ただ、環境省の南川秀樹次官は3日のブリーフィングで、原発事故の影響により、自国が温室効果ガス排出削減目標を見直す可能性に言及している。
フィゲレス事務局長は「日本の目標修正に関連する情報はまだ受け取っていない」と述べた。また、菅直人首相が先ごろ、原発事故が排出削減目標に影響を与えることはないと述べ、日本が今回の事故をきっかけに再生可能エネルギーに注目する考えだと伝えられたことから、「日本はまず災害対策を講じ、その後でエネルギー政策を再考する必要がる」と指摘した。
国連は年末に南アフリカで開催される第17回気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に向けた今年最初の公式会合を、3日からバンコクで開いている。
(編集翻訳 恩田有紀)http://www.xinhua.jp/socioeconomy/politics_economics_society/272389/