内閣府の食品安全委員会は23日、福島県産の原乳などから放射性物質が検出されたことを受け、政府が急きょ設定した放射性ヨウ素と放射性セシウムの暫定規制値の評価作業を始めた。食品衛生法は放射性物質に関する基準がないため、福島第1原発の事故後、厚生労働省が暫定規制値を公表している。同委は、暫定規制値が妥当かどうかを検討し、月内に結論を出す方針だ。【中西拓司】
毎日新聞 2011年3月23日 21時00分
食品暫定基準は適正か 食品安全委が評価作業に着手
2011.3.22 13:53
内閣府の食品安全委員会は22日、農畜産物から放射性物質(放射能)が検出されたことを受け、政府が急遽(きゅうきょ)設定した出荷規制の暫定基準値について、科学的な合理性があるかどうかなどの評価作業を始めた。食品から摂取する放射線量が健康に与える影響について評価を行い、1週間をめどに検討結果をまとめる。
委員会では、厚生労働省の担当者が暫定基準値の設定や、基準値を超えた農畜産物の出荷規制の経緯を説明。放射性物質の専門家を招き、意見を聴くことで合意した。小泉直子委員長は「まずは情報を集める。自治体などからデータをもらい、すみやかにリスク評価を行って取りまとめたい」と話した。
本来は同委員会の評価を経て基準値を設定するが、政府は今回、原発事故を受け、暫定基準値による規制を先行。20日に厚生労働省が暫定基準値について委員会へ諮問し、事後評価を求める形を取った。