電機部品メーカー「春日電機」の特別背任事件で逮捕された元社長篠原猛容疑者(53)について、証券取引等監視委員会が別会社の株でインサイダー取引をしていた疑いがあるとして、証券取引法違反容疑で関係先を強制調査していたことが13日、分かった。
証取委は刑事告発に向け捜査当局と合同で捜査を進める。
捜査関係者によると、篠原容疑者は2006年、ソフトウエア開発会社が損失を計上するとの内部情報を基に、公表前に同社などの株を売り抜け損失を回避した疑いが持たれている。この会社は篠原容疑者がかつて経営していた会社という。
篠原容疑者は春日電機の経営権を取得後、実質的に経営する別の精密機器会社へ計5億5千万円を無担保で融資し春日電機に損害を与えたとして12日、警視庁に逮捕された。
2011/01/13 21:15 【共同通信】
毎日新聞
春日電機:元社長インサイダー疑いも 監視委、刑事告発へ
東証2部に上場していた産業用機械メーカー「春日電機」(旧本社・東京都三鷹市、09年に上場廃止)の元社長、篠原猛容疑者(53)=会社法違反(特別背任)容疑で逮捕=らについて、別会社を舞台にしたインサイダー取引の疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が篠原元社長の自宅など関係先を強制調査していたことが分かった。監視委は今後、金融商品取引法違反容疑で東京地検に刑事告発する方針だ。
関係者によると、篠原元社長は06年8月ごろ、自ら99年に設立した格付け評価ソフト開発会社「オックスホールディングス」(東京都港区)が損失を計上するなどの決算情報を基に、同社に関連する複数の株式銘柄について、すでに評価損が出ていることを知りながら、保有していた株を売り抜けて損失を回避。評価損の拡大後に再び買い戻して利益を得たりした疑いが持たれている。一連の取引での不正利益は1000万円近くに上る可能性もある。
取引には、元社長と知人名義の複数口座を使ったとみられるが、篠原元社長は取引当時、オックス社の社長を退任している。監視委はこうした状況を把握し昨年12月、自宅などの強制調査に乗り出していた。【松谷譲二】
毎日新聞 2011年1月13日 15時00分
読売
春日電機元社長、インサイダー容疑でも強制調査
東証2部に上場していた電気部品製造会社「春日電機」(本社・東京)を巡る不正融資事件で、警視庁に特別背任容疑で逮捕された同社元社長の篠原猛容疑者(53)(江戸川区西葛西3)が、別の会社の株についてインサイダー取引をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から、金融商品取引法違反容疑で強制調査を受けていたことがわかった。
監視委は、特別背任容疑の捜査終了を待って、捜査当局と合同で立件へ向けた捜査を行う方針。
関係者によると、篠原容疑者は2006年、以前社長を務めていた都内のソフト開発会社が損失を計上するとの情報を事前に得て、同社株を取引した疑いが持たれている。監視委では昨年12月、篠原容疑者の自宅などを捜索した。
(2011年1月13日15時27分 読売新聞)