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2010/12/07

ヤクルト株主代表訴訟

ヤクルトのデリバティブ巨額損失 元副社長、67億円賠償確定
2010.12.7 05:00 SankeiBiz

 デリバティブ(金融派生商品)取引で巨額の損失を出したヤクルト本社の当時の経営陣が、約533億円の賠償を求められた株主代表訴訟で、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は6日までに、株主側の上告を退ける決定をした。熊谷直樹元副社長=旧商法の特別背任罪などで懲役7年、罰金6000万円が確定=だけに約67億円の賠償を命じた1、2審判決が確定した。決定は3日付。

 2004年12月の1審東京地裁判決によると、ヤクルト本社は1991年10月から98年3月にかけ、金融機関との間でデリバティブ取引を行い、最終的に約533億円の損失を出した。

 地裁はまず「デリバティブ取引は会社の目的の範囲内」と判断した上で、当時の取締役や監査役について「ヤクルト本社は当時の水準として一応のリスク管理体制をとっていた」と指摘、資金運用責任者の元副社長以外の注意義務違反を否定。元副社長がかかわった取引のうち、97年2月以降分に限って「管理体制下の制約に反するものがあった」として違法性を認め67億円の賠償を命じた。株主側は「ほかの役員にも注意義務違反があった」と控訴したが、2008年5月の2審東京高裁判決は1審判決を支持し棄却した。          


【用語解説】ヤクルトの巨額損失問題

 1990年代、株価急落で財テクの資金運用に行き詰まったヤクルト本社は、投機性の高いデリバティブ(金融派生商品)取引などを積極的に手掛けたが失敗。98年3月期で1000億円を超える損失を計上し、当時の桑原潤会長(故人)と資金運用責任者の熊谷直樹副社長が引責辞任した。熊谷元副社長は、米国の投資運用会社が発行したドル建て私募債「プリンストン債」の取引でリベートを受け取ったとする旧商法の特別背任罪などで懲役7年、罰金6000万円が確定した。








2010/12/6 11:32 日経

元副社長の67億円賠償が確定 ヤクルト巨額損失 最高裁、1・2審を支持
 ヤクルト本社のデリバティブ(金融派生商品)取引による巨額損失を巡り、株主が当時の経営陣に533億円の賠償を求めた株主代表訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は6日までに、株主側の上告を退ける決定をした。熊谷直樹元副社長(80)のみに67億円の支払いを命じ、他の経営陣への請求は退けた一、二審判決が確定した。

 決定は3日付。株主側は上告審で「デリバティブ取引のリスク管理について、当時の経営陣が真剣に論じた形跡がない」などと主張したが、同小法廷は退けた。

 2004年12月の一審・東京地裁判決は、資産運用責任者としてデリバティブ取引を手掛けた熊谷元副社長に対し「取締役としての注意義務に違反した」として67億円の支払いを命じたが、他の経営陣の責任は「会社として一応のリスク管理体制があった」として認めなかった。08年5月の二審・東京高裁判決も一審を支持した。

 一、二審判決によると、ヤクルトは有価証券の含み損の埋め合わせなどを目的とした投機性の高いデリバティブ取引で失敗。損失は逆に拡大し、1998年3月期には1千億円超の損失を出した。


2010年12月6日11時22分 朝日新聞


ヤクルト元副社長の67億円賠償確定 巨額損失株主訴訟
  リスクの高い資産運用で巨額の損失を出した乳酸菌飲料大手のヤクルト本社(東京都港区)の株主代表訴訟で、最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)は、ヤクルトの販売会社や個人株主らの上告を退ける決定をした。3日付。運用担当の熊谷直樹・元副社長(80)に約67億円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。

 ヤクルトは1998年3月、投機性の高い金融派生商品(デリバティブ)取引の失敗などで1057億円の損失を出したと発表。当時の会長と、国税庁キャリアOBで資産運用を任されていた熊谷副社長が引責辞任した。これを受け、株主側は当時の経営陣に賠償を求めていた。

 2004年12月の東京地裁、08年5月の東京高裁とも、熊谷元副社長の賠償責任しか認めなかったため、株主側が「他の役員の責任を認めないのは納得できない」などとして上告していた。







デリバティブ取引(でりばてぃぶとりひき)
【用語解説】
デリバティブ取引とは、伝統的な金融商品の株式や債券から
様々なノウハウや金融工学によって派生した商品のことを、デリバティブ取引といいます。
デリバティブ取引は、時価評価が原則として行われます。
時価評価が適当でない場合は、ヘッジ会計が適用されます。

デリバティブ取引には、主にこんなものがあります。
・先渡取引 ・先物取引 ・オプション取引 ・スワップ取引
http://kaikei-yougo.sigyo.net/post_111.html