IAEA 日本に汚染水調査団
9月9日 22時27分
IAEA=国際原子力機関の定例理事会が始まり、天野之弥事務局長は、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題について、「緊急の課題だ」と述べたうえで、この秋、再び日本に調査団を派遣することを明らかにしました。
IAEA=国際原子力機関の定例理事会は、9日、本部のあるオーストリアのウィーンで始まりました。
天野事務局長は、冒頭で演説し、その中で、「福島第一原発の汚染水の問題は、緊急の課題だ」と述べました。
そのうえで、IAEAはいつでも日本を支援する用意があるとして、この秋、ことし4月に続いて、調査団を日本に派遣することを明らかにしました。
また、天野事務局長は、今月、日本政府が発表した汚染水対策については、「重要な前進だ」と評価しました。
演説のあと記者会見した天野事務局長は、「汚染水の問題は、原発事故の影響がまだ続いていることを示している。非常に重要な問題で、中期的、長期的な観点から抜本的な対策が必要だ」と述べました。
また、この日の理事会では、日本のウィーン国際機関代表部の小澤俊朗大使が、汚染水の問題への対応を説明し、「適切に情報を提供し、IAEAや各国と協力していく」と強調して理解を求めました。
汚染水の問題には、引き続き、国際的な懸念が出ており、日本の代表部は、今回の理事会や来週行われるIAEAの年次総会などの場で、不安の払拭に努めたいとしています。
汚染水漏れ「緊急課題」 IAEA、今秋に調査団
'13/9/10
【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が9日開会し、天野之弥あまの・ゆきや事務局長は冒頭演説で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れについて「優先度が高く、緊急に取り組む必要のある課題」と強調した。また、同原発の廃炉作業を検証する2回目の調査団を今秋、日本に派遣すると述べた。
定例理事会の日程は5日間。IAEA加盟国の間では汚染水漏れに対する懸念が強い。日本はこの日の理事会で、原子炉建屋への地下水流入を防ぐための凍土遮水壁の設置や、汚染水の浄化設備の増強を含めた政府の対策を説明した。
天野事務局長は演説で「(汚染水漏れなどは)原発事故の影響が続いていることを明確に思い出させる出来事だった」と述べた。一方、日本政府の汚染水対策は「問題に取り組むための重要な一歩」と評価した。
日本政府は汚染水対策に国費470億円を投入する予定。