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2013/09/29

【汚染水問題】 「ALPS」の不具合は置き忘れたゴム板がタンクの底の排水口を塞いだため

汚染水処理の停止、原因は置き忘れの「ゴム」か




 福島第一原子力発電所の汚染水を処理する放射性物質除去装置「ALPS(アルプス)」が停止した問題で、東京電力は29日、処理で生じた廃液を排出するタンクの底から板状のゴムが見つかったと発表した。


 アルプスに不具合が生じたのは、ゴムが排出用のポンプの入り口を塞いだのが原因とみている。

 東電によると、アルプスの運転前に行った点検作業でこのゴムを使ったが、回収し忘れていた。アルプスは汚染水対策の柱の一つだが、改めて東電の管理体制のずさんさが浮き彫りになった。

 東電によると、板状のゴムは縦横20センチの大きさで、厚さは3ミリ。タンクの内部を点検する際に仮設のはしごが動かないようにするため、はしごの下に2枚敷いていた。タンク内部をカメラで調べたところ、ゴム1枚が剥がれて底から見つかった。もう1枚は元の場所にあった。作業員が2枚とも回収した。

(2013年9月29日19時05分  読売新聞)





汚染水設備停止 ゴム板が排水口塞いだか

9月29日 17時33分

福島第一原発では27日、1か月半ぶりに試運転を再開した「ALPS」と呼ばれる汚染水の新たな処理設備で、汚染水から取り除いたウランなどの放射性物質を含む廃液の量が保管容器に送る配管の部分で通常より減るトラブルがあり、東京電力は汚染水の処理を再開から一日足らずで停止しました。

東京電力が配管の上流側にあるタンクの中をカメラで調べた結果、点検作業の際、タンクの底を傷つけないよう仮設のはしごの下に敷く厚さ3ミリほど、20センチ四方の大きさのゴム製の板が1枚剥がれているのが見つかったということです。

東京電力は、この板がタンクの底の排水口を塞いだのがトラブルの原因とみています。
「ALPS」のほかのタンクでも同じような不備がないか調査を続けているため、汚染水の処理は今も停止したままです。

「ALPS」は汚染水処理の柱とされ、東京電力は、設備を増やして汚染水の処理作業を来年度中に完了させる目標を立てていますが、トラブルが相次いでいて予定どおりに進むかは不透明です。






福島汚染水:タンク内にシート置き忘れ 浄化装置停止原因

毎日新聞 2013年09月29日 19時31分(最終更新 09月29日 21時07分)

 東京電力福島第1原発で、放射性汚染水を浄化する多核種除去装置「ALPS(アルプス)」が試運転を再開したばかりで停止した問題で、東電は29日、不具合の原因は、タンク内に置き忘れたゴム製シートが排水口をふさいだためと発表した。再開のめどは立っていない。

 アルプスは62種類の放射性物質を取り除くことができ、汚染水対策の「切り札」と位置づけられているが、トラブル続きで、チェック体制が問われそうだ。

 東電によると、ゴム製シートは、タンク内部を上り下りする仮設のはしごを固定するために使ったもので、大きさは縦横20センチ、厚さ3ミリ。2枚がテープで固定されており、試運転前に回収することになっていたが、作業員が回収は不要と勘違いしてそのまま残したという。うち1枚がはがれて排水口をふさぎ、流量が低下したとみられる。東電は今後、ほかのタンクも水を抜き、異物がないかどうか調べる。

 アルプスは今年3月に試運転を始めたが、タンクの腐食による水漏れが見つかり、8月に運転を停止。今月27日に約2カ月ぶりに試運転を再開したが、不具合が起きたことから約22時間半後に処理を停止した。【須田桃子】